2017.Jan.03
「死霊のはらわた」チームが創り上げた、20年に1本の恐怖映画と銘打った“ドント・ブリーズ”を観ました。2017年初に選んだ作品は、苦手なジャンルの作品。ショッキング・スリラーと位置づけされたその作品は、全米で2週続けてNo.1をたたき出したとのこと。
サム・ライミ監督(スパイダーマンシリーズ)の作品とおもいきや残念、本当に「死霊のはらわた」チームの作品でした。年明け早々に、いろいろまよったあげくの選択。感想は宣伝通り、息をすることさえ忘れるほど目をこらしてしまい疲れました。よく出来た作品ですが、それでもわたしの好きな作品たちと肩を並べるまでには行きませんでした。わたしの好きな作品とは、因みにヒッチコックの“サイコ”、ウィリアム・ワイラーの“コレクタ-”など・・・。最近では、少し毛色は違いますが“ルーム”もその一つ。どの作品もただ恐怖心をあおるだけで無く、人間の中にある変則的なこころ(愛)を描きだし、その危うい感覚を脳に刻みつけます。どれも一級品のサスペンススリラー映画である。
それらの作品を思い浮かべると、“ドント・ブリーズ”はこれらの作品を混ぜ合わせたようそんな作品かも?あともう一つオードリー・ヘップバーン主演の“暗くなるまで待って”も合わさった感が強い。今回の登場人物は被害者と加害者の境界が解らないところが、ある意味新しい切り口と言えるかも知れません。映画の中でいちばん驚かされたのは、冒頭車の窓に飛びかかってきた犬の顔。先週観た“バイオハザード”でドキッとした瞬間の感覚が似ていました。盲目の老人は確かに怖かったですが、途中から怖さより強さが上回り、その上哀れさがましてしまい複雑な心境になってしまいました。この人物はサイコパスには違いないのですが、持って生まれた性格のゆがみでは無いと思いました。そう言うひとを創ってしまった社会にも問題があるのでは無いでしょうか?ラストもエッ嘘!!と思わせ、もやもやした不思議な感覚が最後まで残ります。女性にはあまりお勧め出来ない作品ですが、強いこころがある方は行ってください。
あまり知られていない俳優さんばかりでしたが、それぞれに印象に残る芝居をしていました。特に主人公ロッキーを演じたジェーン・レヴィは、女の強かさを見事に演じています。
最後に映画から学ぶ教訓。その1-悪いことをすると、罰があたる。その2-見た目でひとを判断すると痛い目にあう。その3-年寄りをなめるな!である。