

2016.Nov.22
まるで懸賞にでも当たったような、嬉しい作品に出会いました。久しぶりにとても幸せな気持ちになれた“PK”をご紹介致します。作品はインド映画で、私は鑑賞する機会はほとんどない。以前インド映画の特集を、TVで紹介していたのを観たことがあります。独特の世界観で民族衣装を着たした人々がいきなり歌い踊りだす、そんな底抜けに明るい不思議な作品たちでした。もちろんこのような作風がすべてではないことは解ることですが・・・。宗教観や国の文化などが感じられる独特の雰囲気があり、とても衝撃を受けたことを覚えています。
さて“PK”の感想を・・・。物語がはじまるとすぐに、でSF映画のような演出で全裸の男が宇宙船から現れ、いったいこれから何がはじまるのかと言うまさかのスタート。その後も脈絡も無くベルギーにところが移り、ミュージカルのような男女のラブストーリー展開。何が何だか頭が混乱する中、気がつくと映画にどっぷり浸かっていました。不思議な映画です。この映画はジャンルではくくれないスケールで、さっきまで大声で笑わせておいて、いきなり涙が溢れ止まらなくなったりと・・・。でも、見終わると心が幸せで満たされ、とても穏やか気持ちになります。いままでに感じたことのない、豊かな表現力に監督の底力を感じました。監督はラージクマール・ヒラニという方で、前作「きっと、うまくいく」という作品でその名を世界に知らしめた人物。その時の主演した俳優がまた、今作のPKを演じたアーミル・カーン。わたしは前作を観ていないので、今作が2人の作品初鑑賞。今回の出会いで一発で虜になりました。“PJ”には沢山のメッセージが込められています。いちばん驚かされるのは、神の国インドを向こうに回しての「神とは?」みたいな・・・。凄いことだと思います。細かい話はしません。きっと観るひとにより感じ方も違うので、まず観てください。お勧めです。タイトルの“PK”は、普通ならペナルティキックですが、インドでは酔っ払いという意味。その意味は作品を見終わると、人に「原点回帰」を訴えているように思えてくる。素直な感情は本当に大切だと痛感させられます。きっとみんさんも、いろいろと考えさせられる要素が沢山あるのでは・・・。
PKを演じた男優さんの表情は、“ミスター・ビーン”を彷彿させ、ちょっと危ない感が画面から溢れ出てます。聞けばこの作品の役では、瞬きをしない表情をづ~っとしたそうです。凄いのひとこと。ヒロイン(ジャグー)を演じたアヌシュカ・シャルマは、とてもチャーミングできっと人気が出ること間違いなし。わたしはもうファンになりました。
生まれたての子どものような“PJ”は酔っ払いじゃなく、天使です。きっとみなさんを幸福にしてくれるに違いありません。そう言う意味ではこの作品、ファンタジーのジャンルに入るのかも。