

2016.Oct.25
いま、日本でいちばん人気のあるイケメンの代表と言えば福山雅治。最後の独身俳優と世の女性たちに細やかな夢を見させていたが、突然の電撃結婚報道。それでも彼の人気はそんなものでは微動だにしない。それはきっと彼の持つ人間性が素晴らしいからに他ならない。
人気先行のイメージが強かったが、2013年公開の“そして父になる”で初めて父親役を演じ、その年の賞を総なめ。新境地に踏入り、俳優としての新たな一歩をあゆみはじめた。彼は俳優だけでなくミュージシャンとしても高く評価され、数多くのヒット曲を生み出すマルチで活躍する才能豊かな人物である。写真の腕もプロ級で今回の役はまさにはまり役。
さてそんな彼が、これまた初の汚れ役に挑戦した作品“SCOOP”が今回の映画。感想は「やっぱりカッコいい人は何をやってもカッコいい。」という結論に・・・。むかし一度作られた作品のリメイクだと言うことだが、その作品(盗写1/250秒)を作ったのが原田眞人監督で、今作品を作った大根仁監督は原田監督をかなりリスペクトしているそうです。R12指定の映画は、福山のイメージにはほど遠い。冒頭からいきなりのカーセックスシーンは、嘘でしょと思うファンもいるかと思う。映画と言うのはこれだから止められない。観る方はもちろん、演じる側もたまらない刺激ではないでしょうか?前回日本の映画がいまとても良いと言いました。これもその気持ちに充分応えてくれた(意外性)作品でした。業界(報道)の裏側にメスを入れ、そこで蠢く人間模様が実にドラマチックに描かれていて引っ張り込まれます。もちろん誇張した表現があるにせよ、そこはエンターテイメントの役割。スクープを追う中年パパラッチ(カメラマン)と、それを取り付ける雑誌社の日常が写し出される。スクープとは言っても下世話な盗撮まがいで集めるスキャンダルな映像ばかり。記事のアップに一喜一憂するスタッフの言動には、かなりオタク臭が強くついて行くのがやっと・・・。新人記者との凸凹コンビで、そんな中にもユーモアを入れ殺伐とさせない構成は巧みだ。今に視点をおいた大根監督の意図が見え、表現者としての信念が浮かび上がる。ジャーナリズムという壁の鬩ぎ合いが映し出され、報道とはの意味を監督自身が問うているそんな気がした。
芸達者な俳優さんたちが、周りを取り囲み作品に重厚感をつけている。コンビ役の二階堂ふみさんは、観る度驚かせられる女優のひとり。これからどこへ行くのか予測不可能でおおいに楽しみである。そしてなんと言ってもすごかったのが、リリー・フランキーさんの演技。ラストはひとりで全部持ってちゃいました。この人は凄すぎます。福山さんとはプライベートでも深い仲な用で、その関係がそのまま役に重なっているようです。
突然ですが、二階堂さんが演じた役名の野火という名にとても引っかかるものがありました。そしたら映画“野火”を監督した塚本さんが出ていて、とくに意味はないと思いますが不思議な感覚を覚えました。塚本さんもリリーさんと仲良しだそうですので、お二人の繋がりを妙に感じてしまう私です。
ひがみに聞こえるかも知れませんが、ラストシーンはちょっとカッコ良すぎではないでしょうか?そこがちょっと・・・。でも、やっぱ福山か~っと仕方なく言い聞かせることにしました。本人はどうしたかったのか、ちょっと聞いてみたい気もします。