2016.Oct.10
ボーンシリーズ最新作に足を運んだ。ご存知マッド・デイモンの人気を不動のものにしたアクション映画である。実はわたし、このシリーズを観るのははじめて・・・。それも最終回と言われているこの作品でようやく、ジェソン・ボーンを知る事になりました。マットの作品はけっこう見ていますが、何故だかこのシリーズには縁がありませんでした。観る前は前作を見ていないので、ストーリー展開が見えるのか心配でしたが、この作品だけでも充分楽しむ事が出来ました。スパイ映画では007シリーズやミッション:インポッシブルなど面白い作品が多く、中でも現在も続くダニエル・クレイグのボンドが大好きでこちらは全て感傷済み。なのに何故ボーンシリーズに足が向かなかったのかは、わたしにも解りません。いまにればただの喰わずぎらいとでも、言う事になるのかも知れません。
さて、映画ですが007シリーズとはまたひと味違う、何か乾いた世界観が描かれた印象のボーンシリーズ。諜報員という仕事のリアルな感覚が、息つく暇無く波のように襲って来ました。現代のテクノロジーの凄さが半端なく描かれ、情報社会の中で生きていることの恐怖を肌で感じ未来に不安さえ感じてしまいます。凡人たちには関係のない話のようですが、国家を操るトップの世界ではこのような事が、日常の中動いているのかと思うと何か不思議な感覚を憶えます。もちろん映画ならではの演出と思った上での話。世界中のどこにいても、ピンポイントで特定できる監視システムは本当に怖いです。ひたすら無表情で、たんたんと行動する主人公ボーンはまさにプロ中のプロといった感じ。ギリギリの緊張感をまるで楽しむかのように冷静沈着に直感で動く。他のスパイものは比べるともっとエンターティメント性が強い気がする。男女の恋愛や友情などソフトな面も覗かせ観客を楽しませる。今作ではボーンはひたすらクールと言うかまるでマシンのようである。イサギ良いという印象を受けたわたしだが・・・?もちろんちゃんと人間臭い背景もあり、人として引かれる部分も多い。だが、弱さをほとんど見せない主人公の徹底した強さに圧倒される。覚悟みたいなものを感じさせる作品である。前の作品はどうだったのだろうと、とても興味が湧く。ラストを観る限り、まだ続きそうな気配でしたが、ファンはきっと嬉しいでしょうね?!
P.S. 「BOSS」でお馴染みのトミー・リー・ジョーンズさん、ボーンに負けないくらいカッコ良いです。