

2016.June.27
シャーリーズ・セロンの最新作“ダークプレイス"を鑑賞。セロンと言えば超美人で、往年のハリウッド俳優を彷彿させる、気品あふれる女優のひとり。だが、その演技力は高く評価され「モンスター」では見事オスカーを手にしています。彼女の凄さは作品を観れば一目瞭然だが、役に対しても極めてストイックに近づこうとする姿勢が演技に表れるところだろう。どんな役でもはまってしまう、例えそれが美しさを要求されなくても・・・。最近では「マッド・マックス」の女戦士フュリオサが印象に残る。髪をバッサリ切り落とし坊主頭で、男たちをバッタバッタとなぎ倒す。マックスがすっかり霞んでしまったのは、記憶に新しいところ。この手の作品では珍しくアカデミー賞10部門にノミネート。そして6部門を獲得。アクション映画にして、この快挙である。そのほとんどが撮影や衣装、音響、視覚効果、メイクなどだったが、彼女の存在は大きい。現に他の映画賞で主演女優賞をもらっている。
彼女の根底にある才能の源は何だろう?ファンの方はみな知っているが、彼女の少女(幼年期)時代の経験が影響しているのだと思うわたし。実の母がDVの父親を殺害した話はあまりに有名で、彼女自身の口から語られ世界中に知られた過去。きっと凄い人生だったのだと、想像をはるかに超えてしまう。
話が長くなりました。最近“スノーホワイト”で本来の美しい彼女を観たばかりですので、今回の汚れ役が改めて彼女の凄さを印象づけられました。
28年前に起こった家族3人の殺人事件のゆいつ生き残った主人公の物語は、サスペンスとはいえそんなにハラハラ・ドキドキ感はいまひとつ。というか物語のもとになる殺人事件の構成が複雑過ぎて、予測がつかない上主人公の記憶を辿る設定が難解ですんなりこころに入って来ませんでした。終ってみれば、あっさりとした話でまさに冤罪事件。原作が「ゴーン・ガール」を書いたギリアン・フリンと聞き期待したが、前作の方が個人的には面白かったです。この映画はやはりシャーリーズ・セロンの演技につきます。迫真の演技で物語をどんどん引っ張っていき、それだけでも充分に楽しめます。あとひとつは兄の恋人ディオンドラを演じたクロエ=グレース・モレッツの存在。彼女もこの作品で汚れ役を演じ、わたしが観て来た彼女のどれにも当てはまらないそんな演技を観せてくれました。これからますます期待が高まります。彼女はセロンをリスペクトしていると、某インタビューで語っております。