
2016.Apr.04
ひと月ほど前、NHKで特番が組まれたダ・ビンチの“糸巻きの聖母”。その作品に秘められた作者ダ・ビンチの思いは、わたしを画面に釘付けにしました。その画の完成度は、かの名画“モナリザ”をも上回る一級品と評価されているもの。聖母の表情が深い慈愛の念に満ち、観るものを圧倒する。開設ではさまざまな研究家たちが、その画に込められたであろうダ・ビンチのメッセージを紐解いていました。その開設を聞けば聞くほど、直にその画を観たいという衝動にかられ美術館へ・・・。公開終了一日前に、滑り込み、“糸巻きの聖母”に会う事が出来ました。館内は終了まじかと言うこともあってか、一時間待ちの長蛇。それでも観る価値は充分の“糸巻きの聖母”。見た瞬間に、何か温かい光に包まれたような感じがしたのはわたしだけでしょうか?解説にも書かれていた、見えない世界を描いているとされるこの作品。赤子のキリスト抱き、我が子の未来を憂うマリアの表情がなんと美しく優しさに包まれていることか。X線を通し解析された、消されたもとの背景画など興味はつきない。わたしは画の前に立った瞬間、その時ダ・ビンチが何を憶い筆を走らせていたかに思いを馳せていました。