2016.Mar.22
山田洋次監督“家族はつらいよ”を鑑賞。山田ファミリー(東京家族)とも言えるお馴染みのメンバーが、久しぶりの喜劇の中で躍動しております。今年日本アガデミー賞主演男優賞に輝いた“母と暮せば”より先に出来ていながら、公開が逆になった本作品。何か意図があったのかは、知る由もありません。喜劇は“男はつらいよ”から20年ぶりとのこと・・・。待ちに待ったひとも多いはず。“東京家族”のメンバーが丸ごと出演し、その個性溢れる演技で多いに笑わせてくれます。どこにでもあるようなお話ですが、もし自分の身に起きたらどうでしょう?という親近感が人ごとではない物語。芸達者な俳優さんたちが、表情豊かに家族の一員を演じいろいろな笑いを届けてくれます。腹を抱えて爆笑したり、思わず「プッ!」と吹き出したり、はたまた笑っちゃ行けないようで堪えたりとか・・・。家族の日常を俯瞰でとらえると、以外やこんなにも滑稽なやり取りが交わされているのだと、思わず自分を振り返ってしまいます。さすが山田監督、ツボを押さえた演出は見事です。家族とは所詮こんなもんです、と言わんばかりの自分勝手な言葉のやりとりが他人事ととは思えません。みんなバラバラなのに、繋がっています。終わってみれば、なんだかんだ言ってもホッとして、ジュワ~っと温かくなります。結局は家族っていいなァ~ってしみじみ思わせる、これが山田ワールドなのでしょうか?これを期に再び喜劇のシリーズをと、願ってやみません。
昨今、信じがたいニュースが多く「家族のあり方」が問われていますが、この映画を観て「家族とは?」を改めて考えてみてはどうでしょう。
先日TVで黒柳徹子さんが、この作品の感想を言ってました。多いに笑わせてもらったが、なんかチャップリンの映画を観た後のような感覚を覚えたと・・・。ン~ンッなるほど、そうかも。突然飛び出した、妻の要望(離婚届)からはじまる物語ですが、笑っていてみなさん大丈夫ですか?取りあえず劇場に足を運び、自分の立ち位置を確かめてみませんか???人生はまだまだ続くのですから・・・。