2015.Dec.10
伊坂幸太郎のベストセラー小説を映画化した作品“グラスホッパー”を鑑賞。伊坂氏の作品はすでに10作品も映画化されているとのこと・・・。申し訳ないが、一本も観たことのないわたし。それどころか小説も読んだことがありません。そんなわたしが何故この作品に引かれたのか?それは予告編で観た、俳優さんたちの危ないイッチャテル感がこころを刺激したからにほかならない。怖いもの観たさはある種、人の煩悩かも?やはりそう言う意味では、予告編て大事な仕事ですね!
さて、“グラスホッパー”ってタイトル、何かカッコいいなァと思っていたらトノサマバッタのことでした。作品の中でもジリジリとした感覚の中で、ちょくちょく繋に使われ印象的。そしてその意味がこの作品のテーマということが解り深みを増しています。その意味とは、(トノサマバッタは密集して育つと、黒く変色し、凶暴になるとのこと。)ナ・ル・ホ・ド・・・。素晴らしいタイトルです。
それはそうと、映画ですが導入部からスピード感溢れる展開であっという間にラストへと進み飽きさせない。俳優さんたちも自分の立ち位置をしっかりと踏まえ見事に役をこなしています。それぞれの役をしっかりと理解しその人物になりきろうという、意気込みがひしひしと伝わり映画の中にぐいぐいと引っ張ってくれます。はじめに言いましたが、とくに殺し屋役の鯨(浅野忠信)や蝉役(山田涼介)のふたりは半端ないイキップリ。個性豊かと言うか、内面の葛藤など複雑な感情表現を見事演じてカッコいい。もちろん主人公の鈴木を演じた生田斗真くんも、優男のうちから沸き上がる強さを熱演してこれまた素晴らしいです。脇をかためる俳優さんたちも本当に、力を存分に出し切り満足させてくれます。原作にはないシーンも多く脚本に加えられたようで、伊坂幸太郎氏も絶賛しております。小気味良いハードボイルドを観せてもらい、娯楽の王道を走ってくれました。この映画を観た後、すぐに本屋に行き伊坂氏の作品をチェックしてしまいました。殺し屋シリーズ「グラスホッパー」の続編とも言われている「マリアビートル」を思わず手にしてレジへ直行。この作品もいつか映画になるのでしょうか?お楽しみはこれからだ・・・。
P.S. 作品の中で、蝉の相棒岩西(村上淳)という男がいい味を出しています。「猾いのだが憎めない、優しい男」を演じ印象に残りました。その男がこよなく愛す架空のアーティスト「ジャック・クリスピン」として使われた曲“Don't Wanna Lik The Dead"という曲がとても印象的に使われていました。この映画のためにわざわざ楽曲を提供し、Jack Crispinとしてなりきったのはブルース・エクスプロージョンの3人。ここも要チェックです。あと、情報屋役で山崎ハコさんが出ていたのにはちょっとビックリ。サプライズな感じで得した気分になりました。昔からのファンでレコードを、いまでも大切に持っています。