2015.Nov.24
“ハンガーゲームファイナル/レボリューション”を観て来ました。シリーズ最終話の作品はどんな結末を観せてくれるのかと、期待し劇場へ・・・。近未来を舞台にした作品は多いが、ヒロインが主人公の作品は多くはない。SF作品では圧倒的にヒーローものが多いのは事実。最近では“バイオハザード”のアリスが最も有名。だが「ハンガーゲーム」のヒロインはアリスとは違い、生身の人間そのもの。決して超人ではなく、肉体的にも精神的にも優等生とは言えない。そんなヒロインが物語の進行と共に、成長して行く姿に見る側は自分を投影させ観るのではないだろうか?アメリカでは女子のファンが圧倒的に多く、イベント会場は6〜7割が女性だと言う話。等身大のヒロインにみな引かれるのは、大義名分に動くこと無く自分の中の正義を貫く純粋な姿に他ならないと思う。現にわたしは、男子ですがそこに引かれています。勧善懲悪の世界でなく、悩み苦しみ愛するもののためにひたすら前を走る姿はカッコイイのひと言です。現実の世界でもこの勇気は大切ではないでしょうか?ともすると、多数意見に翻弄され流されるわたしたち。この作品はSFですが、いまを生きる人たちにもメッセージを送っているのではないでしょうか?
主人公の少女カットニスを演じたジェニファー・ローレンスは実に見事にヒロイン像を創り上げてくれました。拍手喝采です。彼女は飛び切りの美人ではない(ファンのみなさんゴメンナサイ!)と思うのですが、清楚な容姿の中に秘められた凛とした女性の強さを感じさせる女優さん。まだ25歳と若いのに、押しも押されもしないハリウッドの大スター。デビューしてまだ7年と言うのに、アカデミー主演女優賞(世界にひとつのプレイブック)など、多くの賞を手にしているのは、彼女の演技力が素晴らしいという証である。ある意味天才と言えるのではないでしょうか?そんな女優さんはジュディ・フォスターくらいしか思い当たりません。わたしが思うに、彼女の凄いところは作品の幅が広いところです。例えばシリアスなドラマ(ウィンターズ・ボーン・世界にひとつのプレイブック)があるかと思えば、Xメンでのミスティークや今回のカットニスのようなユニークなキャラとそのふり幅は無限。驚くべき才能と言っていいのでは・・・。私生活ではいろいろと世間を騒がせているようですが、それも芸の肥やしと言ったとおころでしょう。これからがますます楽しみな逸材です。
映画は自分の目で確かめてください。映像、衣装、舞台美術、メイクなどどれも一級品。それにジェニファーの演技となれば、面白くないはずありません。ジュリアン・ムーア(アリスのままで)やフィリップ・シーモア・ホフマン(カポーティ)とアカデミー賞俳優が脇をかため、なおかつ大ベテランのドナルド・サザーランド(M★A★S★H)が敵役など、考えてみるとこんな贅沢な映画はありませんね。
P.S. ラストの母の顔は優しさに満ちていて、とても美しかったです。カットニス、よく頑張りました。◎。