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よもやまシネマ-229 “LAST KNIGHTS”
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2015.Nov.16

紀里谷和明監督のハリウッド進出第一作“LAST KNIGHTS”を鑑賞。作品を世に送り出す度、独自の映像感覚を駆使し私たちを楽しませてくれる。アメリカでデザイン、音楽、絵画、写真等を学びさらに建築をも・・・。アートのすべてのジャンルに関わり、その才能を映像クリエーターとして開花させ脚光を浴び、そのまま映画の世界へと転身。第一作はTVアニメ「新造人間キャシャーン」を実写化。“CASSHERN"で映画デビュー。続いてアドベンチャー活劇“GOEMON"を発表。作品を出す度に、良くも悪くも話題を提供してくれる。独自の映像美への拘りは賛否両論で、好みは二分している監督さんである。例えば“CASSHERN"はTVアニメのイメージはほぼ無く、完全に別物といった感じでアニメファンからはかなり厳しい意見が聞かれた。わたしは逆にヘ~エッ!!こんな世界観があるんだ?とちょっとビックリしました。勧善懲悪の原作だったが、映画はむしろ適のブライキング・ボスの一味にスポットをあてた物語になっていて、蘇生体として甦った新造人間たちの深い憎悪と悲しみが描かれかなり重たい内容になっていた。ただCGを駆使した表現が妙に鼻につき、アクションシーンが想像以上に嘘くさくなっていたのを思い出す。今までにない世界観には魅かれるものがあったが、この段階ではまだ未完の大器だった気がする。二作目の“GOEMON"は歌舞伎を意識した、派手な演出でこちらの方がCGで思いっきり遊んだ感がありわたしは好きです。かなり濃い演出がかえって新鮮で、ここまでやりたい放題やったら本望ではないでしょうか?映画は娯楽なのですから・・・。
さて前置きが長くまたなりました。“LAST KNIGHTS”は正直これが紀里谷監督も作品?と思ってしまう作品です。もちろん映像美に対する拘りは随所にみられ、非情に重厚でまるで絵画を観ているようで美しい。テーマは武士道(騎士道)。日本の古典とも言うべき武士道精神を描いた「忠臣蔵」が題材として使われ、西洋の騎士道に生まれ変わったそんな作品である。単純明快のストーリーだが、義を描いた内容は日本人のこころの持ち方を表したもの。監督がそれをどうアレンジしてハリウッド版にするのかがとても楽しみだった。ハリウッドをかなり意識したであろうことは、作品をみれば一目瞭然である。今回もCGは当然使い創り込まれてはいるのだが、その技術があまり出しゃばらず重みのある演出効果を生み出しています。モーガン・フリーマンやクライヴ・オーウェンといった名優を配し、かつヨーロッパの古城を使っての壮大なロケ撮影は新しい紀里谷ワールドを完成させたようだ。紀里谷監督自身がどんどん進化してることが見て取れる、そんな作品となりました。前2作品とは明らかに違う、その映画はこんどもきっとファンを2分させるかも知れません。作品を発表する度、こんどはどんなことしてくれるのかと思わせる監督さんです。自身でチャレンジを楽しんでいるのでしょう。わたしはその前向きさは大好きです。ひとつ思ったのですが全然違った3作品ですが、どの作品にも共通することがひとつ。「不条理な社会に一矢報いる」そんなことが一貫したテーマになっているようです。さて、みなさんはどう感じるのでしょうか・・・?
P.S. 唯一日本人で敵側用心棒的役柄で伊原剛志が出演しています。忠臣蔵の中で言うところの、吉良の用人“清水一学”という役どころ。敵ではあるが、剣の達人で武士道を貫く人物として有名である。そんな人物をしっかりと演じていたのが、とても印象に残りました。
by eddy-web | 2015-11-18 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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