2015.Nov.10
“MOZU劇場版”を観て来ました。TVドラマのファンだったので、観ない訳にいきません。今思えばはじめからこの劇場版へと繋ぐ意図が感じられる作りだったドラマかも・・・。作品がどんな結末をみせてくれるのかと、多いに期待していたわたし。正直に言うと、ちょっとガッカリ。映画にした意図が、正直解りません。むしろTVの方が映像表現にインパクトと深みがあり、むしろ映画っぽい拘りがあったように思えます。1部2部と続いて来た重たく暗いイメージが心理描写へと繋がり、緊張感のあるドラマでした。出演の俳優陣も個性が際立ち、危ない感がいっぱいでの展開に毎週のめり込んで観ていました。それがどうでしょう。なんだか演出ばかりが過剰になり、もはや歌こそ歌わないがミュージカル。場面ごとに意味不明の演出が満載で逆に引いてしまう。メインディッシュばかり並べられても、何を味わったのか解らなくなるといった具合である。せっかく良い俳優さんたちがいるのに、みな中途半端に演出され、こちらに伝わってこない。残念でしかたない。TVの展開はなにかいつもモヤモヤした、不透明な感じをとことん陰湿に描いていて、そこが一番の魅力だった。映画は残念ですが、それが出ていません。どうしてなのだろう?以外とここはエンターテーメント性の考えかたの落とし穴かも知れません。TVでは感じなかった、オーバーなセリフ回しや表情が妙に鼻についてしまうあざとらしさ。個人的感想は無理して終わらせる必要はなかったのでは・・・というのが本音です。最後までモヤモヤした感じを残し、勝手に創造力を膨らませるくらいでよかったのかも!!すみません勝手なことを言わせてもらってます。TVの時はいつもだれがバックで暗躍しているのだろうとか、「コイツかな?それともコイツかな?」とそれを推理する楽しみな作品でした。納得のいかない結末に、とてもモヤモヤしています。主人公倉木を演じた西島秀俊は、すごく頑張っていたと思います。重たい役に入り込み抱えこんだこころの闇を、とても重厚な演技でわたしたちを最後まで引っ張ってくれました。回りを囲む役者も一癖も二癖もある強者揃い。同僚に発する倉木のひと言“だれも信じるな!”がこのドラマのすべて。これが緊張感を繋ぐ一本の糸だったのだが、最後はぐちゃぐちゃに絡まってしまいもういいや!エイィ!!ッテな感じの終わりでした。
今回短いですが、新谷和彦(池松壮亮)が出て、新キャラの権藤(松阪桃季)とバトルをします。そこはちょっと嬉しかったです。女装こそなかったものの、作品の中では一番光っているキャラのひとりだと思います。松坂くんも頑張っていましたが、やはり軍配は池松くんかな・・・。原作者の逢坂剛さんが語っていますが、原作には出てこない中神(吉田剛太郎)と東和夫(長谷川博己)を絶賛しています。わたしも同感ですが、中神が生きていたらもっと面白い展開もあったのかナと思いました。それにしても登場人物たちはみな、身体はボロボロでよくこれで生きているなと思うことしきり。それでも死んだと思っていた人物が甦ると、小躍りしてしまったのは何故でしょう。最後に謎の人物ダルマを演じたビートたけし、流石の存在感でした。終わり方はエッ???ですが・・・。TVのファンは自分の目で確かめましょう。わたしとは違う見方もあるのでは・・・。