2015.Oct.27
“トランスポーター”と言えば、ジェイソン・ステイサム。脚本・制作はリュック・ベッソンで、第1作は2002年に公開。愛車の黒いBMWに乗り、何でも運ぶプロの運び屋が主人公のカーアクション映画である。高額な報酬と引き換えに、どんな品物も時間厳守で運ぶ。モットーの三つのルール「契約厳守」「(依頼者の)名前は聞かない」「依頼品は開けない」を守り、クールに仕事をこなす。天才的運転技術に特殊部隊で磨いた格闘技のセンスは抜群。そんな主人公をリュック・ベッソン監督が手がけた映画は、スタイリッシュであっと言う間に人気シリーズとなった。
今回の“トランスポーター/イグニション”は役者さんも替わり、新しいシリーズとしてスタート。リュック・ベッソン監督の脚本・制作は替わらないので、コンセプトはそのまま・・・。とは言え、やはりジェイソン・ステイサムに替わることの出来る人って、ちょっと思い浮かばないわたし。シリーズものの主人公を演じる役者が替わるのは、時間の流れの中仕方のないことではある。だが、一度植え付けられたイメージはそう簡単には替えられないのが現実。人気シリーズはやりがいのある仕事だが、二代目は大変だといつも思うわたし。例えば007のジェームス・ボンド。何度も世代を替え、現在も続く長寿シリーズだが、人気はいまだ衰えない。わたしも大好きな映画である。初代ボンド役を演じた、ショーン・コネリーのインパクトが強く、やはりその後の役者さんにはなかなか慣れなかったことを思い出す。だが、いまボンドを演じているダニエル・クレイグは6代目になり、24作目“スペクター”が近々公開される。もちろんほとんどの作品を観ているが、ダニエル・クレイグのボンドは素晴らしい。気品があり、英国情報部員という誇りすら感じさせる。初代ボンドを演じたショーン・コネリーすら、いままでのボンドで最高と大絶賛を送っています。
あれっ!、また違う話に変わってしまいました。これがわたしの悪い癖。つい熱くなると、話の枠を飛び出し自分だけ楽しんで話しに夢中になってしまいます。申し訳ありません。(いつも言われます、遠回りしすぎると・・・。)トホホ???
戻します。二代目主人公フランクを演じることになった、エド・スクレイン。導入部では違和感を感じたものの、物語が進むにつれそれは消し飛び、スクリーンの中には「Newフランク・マーティン」が縦横無尽に暴れまわる姿が・・・。相変わらずの小気味いい流れの演出とアクションの展開が、グイグイと画面に引っ張り込みます。ジェイソン・ステイサムよりやや線が細い感じですが、逆にそこが魅力に繋がっていく気がします。最後まで手に汗握る展開は大満足。女優陣もみんなキレキレで美しいし、お父さん(フランク・シニア)役のレイ・スティーブンソンが、また実にいい味をだし渋くてカッコ良かったです。息子より一枚も二枚も上手のチョイ悪親父が、存在感を出しまくりで大活躍。まるで主人公は、2人といってもいい作品でした。スカッとしたい人は、今すぐ劇場へ・・・。