2015.July.27
細田監督最新作“バケモノの子”を鑑賞。恥ずかしい話ですが、今回はじめて細田監督作品をスクリーンで観ることになりました。アニメ大好きな自分ですが、ほんとうに恥ずかしい限りです。日本はもとより海外でも高く評価されている細田守監督。’06年のデビュー作“時をかける少女”でいきなり日本アカデミー賞をふくめその年数多くの賞を受賞。いきなりアニメ界にその名を轟かせ、新作が出す度にマガヒット作を生み出しています。そんな監督なのに何故いままで観ていなかったのか、自分でも不思議である。ディズニーやスタジオ・ジブリ作品は、ほとんど見尽くしているわたしが・・・。思うにはじめの細田作品“時をかける少女”がわたしの足を引き止めたような気がする。実写版の“時をかける少女”はみなさんもご存知でしょう。1983年に原田知世主演で映画化され、松任谷由実のテーマ曲と共に大ヒットした映画。メガホンを取ったのは、いまでも大ファンの大林宣彦監督。その時の印象が強烈で、それを壊したくない自分がどうもいて、しらずしらず同作品を拒否していたようである。この夏“バケモノの子”公開に合わせTVで続けて細田監督の前三作が放映されました。どの作品も素晴らしくディズニーやスタジオ・ジブリ作品とも違う、とても清々しく温ったか〜いそして胸がキュンとなる感覚がそこにありました。映像技術はもちろん凄いのですが、何と言っても脚本の素晴らしいさに感動です。もっと早く観るべきでした。
話をもどして“バケモノの子”・・・。“千と千尋の神隠し”のイメージを少し連想したわたしですが、それとは違う細田監督のメッセージがぎゅうぎゅうに詰まった感動の一作となっています。オリジナリティ溢れるその物語にあっという間に引き込まれ、まるで自分が主人公になりそこにいるような気持になり熱い思いが迸りました。熊徹役の役所広司さんはじめそうそうたる役者の方たちが演じた声優は、アニメの枠を飛び出し感情移入してしまうほど見事でした。それぞれのキャラにあったキャスティングがピタッとはまり、主人公九太(宮崎あおい&染谷将太)が成長する姿と相まって何度も泣かされました。本当に豪華な顔ぶれです。百秋坊のリリー・フランキー、多々良の大泉洋さんなど最高。
あらためて振り返ると細田監督作品の共通する点は、こころの中に宿る迷いや苦悩そしてそれを乗り越えてゆくエネルギーが描かれています。だれもが持っているこころの隙間(闇)を正直にみせ、それを見事に乗り越えてみせてくれます。映画を見終わると何か清々しい気分になります。最近なかなかそんな作品には出会わなくなりました。ぜひ親子、恋人、家族、だれでもいいのでいっしょに観に行ってください。そして、劇中に出てくるセリフ
“胸の中の剣”が示す「奇跡」を確かめてください。きっとみなさんの中にもあるはずです。