2015.Jun.15
本日は是枝監督の“海街Diary”を鑑賞。はじめに言いいますが、個人的には好きな作品です。もとは吉田秋生のマンガが原作の作品で、2013年にマンガ大賞受賞し今なほ続いている。是枝監督と言えば昨年作品“そして父になる”がカンヌ国際映画祭で審査委員賞を受賞し話題になったことは記憶に新しい。福山雅治がはじめて難しい父親役に挑戦したことも相まって、大ヒットしました。そんな監督が手がけた新作は、やはり監督らしい作品とひとめで解る作品になりました。わたしがはじめて監督作品に出会ったのは、やはりカンヌで話題となった“誰も知らない”である。日常の中に埋もれてしまっているひとの営み〔事件)を、繊細なタッチで拾い上げ丁寧に紡いでみせた作品はこころに沁みました。そんな代表作を観ても、監督の作品には一貫して共通するテーマが感じられます。「ひととひとの繋がり」の儚さ、危ういさ、そして優しさ。いつも一生懸命に生きているひとをカメラに納め、自然体でまるですぐ側で起きているかのように描いています。
“そして父になる”、“誰も知らない”も新聞の片隅掲載されるような事件の話。いまでは、もう当たり前のようになってしまった話である。ただ、そんな事件を拾い上げ、実に身近に感じさせる演出は凄いし考えさせられる。監督はドキメンタリー作品も数多く手がけているので、その辺に拘りがあると思えます。
さて、今度の作品もいきなり新しい家族が増えるという導入ではじまるが、これも最近ではわりとある話。なんて言うのか、現代では結婚も離婚もそんなに重たくないのである。困ったことですが・・・。ある意味自由になったということかも知れません。人生はひとそれぞれで、そのひとが決めるもの。だれも咎めることなど出来ないのです。ただ、そこには確実にひととひととの葛藤がありもの凄いエネルギーが使われているという事実があるのです。そんな物語が今回の映画“海街Diary”。
さきほど上げた2作品に比べると、ややおとなしい感は否めない。ただ自分的にはたんたんと普通に流れていく、物語の流れはすごく気持のいい感じがしました。奇をてらわずどこまでも普通なところが、わたしは好きになりました。すごく感動するとかではない、後からいろいろ思い出しながらジンワリとくるそんな映画だと思います。
4姉妹は美人揃いだし、出てくるひとたちもいい人ばかり。そこはちょと???ですが、優しさに満ち溢れた作品になっております。見終わるときっと素直になれる気がします。
長女役の綾瀬はるか、次女役の長澤まさみ、三女役の夏帆、そして最近出まくっている腹違いの妹役広瀬すずちゃん。みんなすごく自然に演じていて本当の姉妹のようでした。長女幸と四女すずの思い出の場所で「お父さんの馬鹿やろう!お母さんの馬鹿やろう!!」と叫ぶシーンは観ているこちらも胸の仕えが取れました。