2015.May.04
やっと公開した、“寄生獣・完結編”。岩明圴原作のこの作品は、つい最近漫画でも読み鑑賞に臨みました。随分前の原作なのですが、深い内容がやっと映像化され日の目をみることになりました。一度はハリウッドの権利を売られたり、映像化は不可能とも言われたり、かなり遠回りして完成しました。前編の時感想で、グロの表現はあまり好みでないと呟きました。今回ももちろんかなりハードな表現があり、見る側にも覚悟が必要です。ただ、その分を差し引いても余ある内容がこの作品には詰まっています。漫画とは思えないそのテーマは、万物の霊長であるとされる人間(人間が決めた)の真の姿とはを、わたしたちに問いかけてくれます。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが・・・。さまざまな受け止め方があると思います。観賞後ひとりの人として自分はどうだろうか?と考えさせられるに違いありません。そして今も続く人間が犯す過ちを、きっと頭の中に思い浮かべることでしょう。
冒頭のナレーションでながれる
“人間の数が半分になれば、燃やされる森の数も半分になるのだろうか?人間の数が100分の1になれば、垂れ流される毒も100分の1になるのだろうか?地球上のだれかがふと思った。みんなの命を守らなければ・・・”それこそがこの作品のテーマなのです。作品の中でも言われていましたが、人間自体が“寄生獣”という表現はストレートに胸に刺さります。
完結編では前作でも描かれた母性を今一度再現し、最後の救いとして伝えてきます。深津絵里さん演じる田宮良子がその象徴として描かれ、子どもを守るその姿に自然と涙が溢れてきます。他にもこころに沁みるセリフが沢山あり、とても考えさせられること間違いなし。ちょっと怖いかも知れませんが、観てはいかがでしょうか?キャストもかなり厚みのある布陣で臨んでいて、見応えがあります。出演者のみなさんは、この原作に惚れているのだと思います。原作にほぼ忠実に描いているので、漫画のもつコンセプトは丁寧に表現されていると思います。これなら比べても納得の出来ではないでしょうか。
P.S. 深津さんが田宮良子役をやると知ったとき、正直すこしこころが引きました。でも見終わったあと、今まで以上に彼女が好きになりました。JR東海のCM、“シンデレラ・エキスプレス”のヒロインからズ〜ッとファンです。これからも頑張ってください。ということで今回のパンフ画像は裏面もお付けしました。深津さん奇麗ですね。