2014. Nov. 18
“アメリ”のジュネ監督最新作“天才スピヴェット”を鑑賞。ジャン=ピエール・ジュネ監督と言えば“アメリ”と誰もが浮かぶ映画だが、きょうからは“天才スピヴェット”と変わるかも・・・。1991年に“デリカテッセン”で、マルク・キャロと組み独特なユーモアで衝撃的デビューを飾ったジュネ監督。ふたりの共同製作はしばらく続いたが“アメリ”で独立し、さらにファンタジーの追求に磨きがかかり今回“天才スピヴェット”に辿り着きました。私の好きなティム・バートン監督ともひと味違うジュネ監督。共通点は空想や妄想が大好きでお茶目なところ。違いはと言うとアメリカとフランスの匂いみたいな・・・、ティムのドライなユーモアに対し、ジュネはウェットなユーモアと言った感じを受けます。どちらも大好きですが・・・。
さて、“天才スピヴェット”。何と言ってもすごいのが、今回はじめて映画の主演を演じたと言う、カイル・ギャレットくんの凄さ。イヤぁ〜も参りました。ただただ凄いのひとこと。天才とは映画の題名ではなく、彼のことだと鑑賞の後誰もが感じるはず。顔もイケメンだし、そのうえ感性も半端ない感じで表情が実に豊か。この映画はまさに彼のためのものでは、ないでしょうか?2002年生まれと言うことは、12歳ってか。このさきどうなるの???子役でデビューすると、大人への転機が大変なのは事実。ぜひ長く頑張って欲しいものです。彼は頭も凄いらしく英語はもちろんロシア語(母はロシア系)のほか6各国語を操るようです。もうひとつ武術にも秀でていて3年連続で総合格闘技の世界チャンピオンを獲っているそうです。なんかもう言葉が出ません。口がアングリです。映画の中でその片鱗がチョッと出ておりますので、観に行くひとは楽しみにしてください。
何か彼のファンになってしまい、彼のことばかり書いてしまいました。
ちょっと中身のはなしを・・・。アメリカの西部の片田舎で暮らす、天才発明家の冒険ものがたりがストーリーの軸ですが、実は深〜い少年のこころの叫びが秘められております。もう話せません。あとは自分で確かめましょう。笑いあり、涙ありの素晴らしい作品です。
映像も相変わらずセンス抜群。ジュネ監督独特の彩色で鮮やかな風景に引き込まれます。今回は3Dの映像処理も加わり、さらにファンタジーの魅力倍増。現実と夢の中をいったり来たりで、とても嬉しくなります。まわりを固める俳優さんたちもぴたッとはまり、短い時間の出演でもなくてはならない演出の大切なシーンばかり。お母さん役のヘレナ・ボナム=カーターはいつでも存在感抜群です。バートン監督のパートナー(正式に結婚はしていない)ということは、みなさんご存知ですよね。この方、ファンタジーには書かせない存在です。
P.S. 科学賞の受賞式スピーチシーンは、記憶に刻まれる名シーンになりました。カイルくん可愛い〜イッ!カッコいい〜イッ!気持悪いかも知れませんが、思わず抱きしめたくなります・・・。
Shoji UEKUSA