2014. Sep. 22
ついに剣心、最後の戦いを見て参りました。本当は公開日に観たかったのですが、息子と約束をしていて今日にいたりました。息子は私同様に剣心のだいファン。シリーズ一作目から、あの速い剣捌きと殺陣に夢中。スポチャンをやっていて稽古で、構え方をまねています。実力はまだまだですが・・・。
さて、ついに完結のシリーズ。ファンとしてはまだ続けてほしいところですが・・・。原作のマンガとはまた違ったダイナミックな動きや奇想天外な殺陣の演出、そして個性豊かなキャラたち。どれをとっても一級品の娯楽映画。時代劇と言えば黒澤映画。数ある名作でいろいろなアクションシーンを残し、その名は世界の黒澤を不動のものにした。もちろん時代劇以外でも素晴らしい作品ばかりですが・・・。例えば“七人の侍”雨の中での野党との戦闘シーン。リアリティを追求した黒沢監督ならではの演出。また、椿三十朗での仲代達矢演じる「室戸半兵衛」との一騎打ちシーンは、まさにチャンバラ映画の名シーン。一刀勝負の血しぶきは、いまでこそ当たり前の演出だが、当時は観るものを驚愕させた。そんな時代の中で時代劇は、大きく2つに分れて来たように感じる。黒澤監督の2つの時代劇が、それを象徴としている気がする。リアリティの追求か、娯楽の殺陣アクションか?といったところ。藤沢周平の時代劇は映画になり、リアリティを表現しているように剣捌きは武道の理にかなった動きを大切にし創られている。対照的に座頭一やあづみ、近年の46RONINなどはまさに娯楽に徹したチャンバラ映画である。簡単に言うと時代劇とチャンバラ映画の違いかも知れない。わたしはどちらも大好きで、大好物です。時代劇は日本が誇る、映画文化の宝。これからも世界へ発信し続けてもらいたい。
さて、映画の話。一作目、二作目と続き、ついに完結となる今作品。原作に出てくるキャラたちはみな、個性派ぞろい。個人的にはそれぞれをもっと引き立たせ、物語を継続させて欲しいのが本音。剣心を演じた佐藤健くんお疲れさまでした。最後編はかなり急ぎ足で話が進み、ちょっと寂しさが残ります。とくに志士雄真実一派のキャラたちが全然スポットを浴びず、終わってしまったことが心残りである。しごくもったいないと思うわたし。志士雄真実(藤原竜也)との対決シーンは満足ですが・・・。それにしても志士雄の強さは半端じゃなかったですね。怨念のこもった剣は、4人(剣心・左之助・斉藤・蒼紫)相手でも一歩もひけいを取らない。最後の散り際も印象に残りました。拍手です。剣心も志士雄も人であり、苦しみもがいた生きざまには敵味方の垣根を越え魅力を感じています。最後にひとつお願い。番外編として、ぜひ個性派剣客との戦いを描いて欲しいと願うわたしです。
Shoji UEKUSA