

2014. Sep. 08
主演のリーアム・ニーソンは、ヘンリー・デュカード役(バットマン)やクワイ=ガン・ジン役(スターウォーズ)と言った、アクションメインの映画でばかり出会うことが多い。口数は少ない寡黙の男だが、冷静沈着な行動力と、鍛え抜かれた身体能力を併せ持つリーダー的存在がイメージである。出演作もアクションものが多いのは確かだが、1993年公開のスピルバーグ監督作品“シンドラーのリスト”でシンドラーを演じ、脚光を浴びその名を不動にした。193cmと大柄な身体に反し、とても繊細で憂いのある表情を画面で観せひとを引きつける。
さて、この作品の舞台はジェット旅客機。で起きる事件を題材にした映画は数多く、密閉され逃げ場のないその空間はまさにサスペンスには持ってこいの場所。古くは“大空港”そして“ダイハード2”。ジュディ・フォスターの“フライト・プラン”、近作ではデンゼル・ワシントンの“フライト”など数えきれないその数々。名優たちも多く出演している、エンターテイメントの舞台である。
今回の映画“フライト・ゲーム”は旅客機内でおこるサスペンス・アクション。主演のリーアム・ニーソンは航空保安官の役で、真面目だがやや気難しくこころの奥に闇を抱えている。その人物に名指しでメールが届き、犯人との心理戦がはじまる。乗客140人がすべて人質で容疑者。緊迫した状況の中で確実に遂行される20分おきの人質の殺害。さて、結末やいかに・・・。リーアム・ニーソンが良い感じです。実年齢62歳だそうですが、酸いも甘いも知り尽くした渋い男出まくりで観客を引きつけます。途中、犯人に疑われ、乗客を説得するシーンは決行感動もの。“シンドラーのリスト”でアカデミー男優賞にノミネートされた演技力は、間違いのないことを確信します。残念ながらわたしは観ておりませんので、説得力にかける言葉ですが・・・。きっとシリアスな役をやらせたら凄い映画がいっぱい生まれるような気がします。取りあえず“シンドラーのリスト”を観ようと思います。
P.S. 原題は“NON-STOP”。そのままでも良かった気もします。タイトルって難しいですね・・・。もうひとつ、ちょい役ですが“それでも夜は明ける”でアカデミー助演女優賞に輝いたルピタ・ニョンゴが出ています。やっぱり存在感がある女優さんですね。
Shoji UEKUSA