2014. Aug. 26
(1本目)
今日はギンレイで梯子。正直、2本続けて鑑賞する元気は流石に無くなっている自分。むかしは5本を1日で観たこともあるのだが・・・。どちらも観たかった作品なので頑張っちゃいました。まずは1本目。“あなたを抱きしめる日まで”ボンドシリーズで「M」を演じていたジュディ・デンチ主演の映画です。見落としてしまった大切な作品。やっぱり観てよかったと思わせる素晴らしい作品とジュディの演技でした。お話は50年の歳月を経て、ある老婦人フィロミナが生き別れた息子を捜すという物語。ジュディは文句なく名演でさすがアカデミー賞女優の貫禄ですが、相対するマーティンを演じたスティーヴ・クーガンが見事でした。はじめて観た彼ですが、イギリスではコメディアン兼コメディ作家として有名とのこと。今回の映画はともすると暗く重たいテーマなのでちょっと構えてしまいましたが、彼とジュディのユーモア溢れる軽妙なやり取りで一筋の光を差してくれています。2人の喜怒哀楽を存分に出した巧みな表現力に圧倒され、グイグイと物語に引きづりこまれます。ジュディは人生の晩年を迎え、現実同様に時に可愛くそして哀しい母と女を演じ分け、とてもキュートで可愛いです。こんな年の取り方をしたいものですね。ジュディはお国で勲章ももらっているそうですが、何個でもあげちゃってください。いつものように内容は話しません。映画はみなさん自分眼で観て確かめてください。この映画は実話だそうです。「事実は小説より奇なり」をまさに地で行く話。それにしても運命の悪戯と言うか、こんなことって本当にあるんだ!とビックリ!!凄過ぎます。印象に強く残ったセリフを今回も書き留めます。ラスト近くで老修道女に掛ける言葉です。フィロミナ“わたしはあなたのことを赦します。”もうひとりマーティン“わたしはあなたのことを赦しません。”どちらも重く深い言葉です。涙が止まりませんでした。ひとは過ちをおかす生きもの。だから成長しひとに優しくなれるもの。
エンドロールで実在するフィロミナが、いまも元気で暮らしていることが字幕に出、ふたたび涙してしまいました。善い映画に出会うと、とてもこころがほんわかします。
P.S. ボンドシリーズの「M」が、前作で亡くなりました。とっても残念でなりません。見事な幕引きでしたが、ファンとしてはジュディ以外の「M」は認めません。
※もうひとつ余談ですが、主人公フィロミナが劇中に自分が変形性股関節症で「足にチタンが入っていてすこぶる快調な生活よ!」とユーモア溢れるひとこと言ってます。実はわたしも同じ病気でとても親近感がわきました。わたしはまだ、自分の骨ですが・・・。
Shoji UEKUSA