

2014. Aug. 01
小5の息子と連れ立って“るろうに剣心(京都大火編)”を見て来ました。初日に劇場に足を運ぶのは、かなり久しぶり。2人とも剣心の大ファンで、映画を観るのは夏休み前からの約束。前作も2人で観たこの作品。原作は和月伸宏の漫画で、わたしはこちらでまず虜になった。明治維新が背景のこの作品は、実在の人物などを上手にからめ奇想天外な物語を創り上げている。新時代を創るために数多くの“人斬り”を実行してきた伝説の主人公の苦悩を、時代の潮流に流され行き場を失った武士の残党たちとの戦いを交え描き出した内容は、他の時代劇にはない斬新な発想で強く引かれた。登場するキャラはみな魅力に溢れ、個性的でカッコいい。その攻防も破天荒だが、妙にリアル。そんな作品が映画になると聞けば、観ない訳には行きません。前作も予想以上のスピード感溢れるアクションと、展開の早い物語の進行に時間を忘れる程・・・。今までにない時代劇の殺陣は、こんな動きはぜったい無理と解っていてもつい引き込まれてしまう。今度の“京都大火編”では新しい宿敵“志々雄真実”が登場し、益々目が離せない面白さ。もうひとつ先ほども言ったが、敵として登場する人物たちの魅力感と言ったらないのである。敵でもカッこいいのです。それぞれに背負うこころの闇が、痛々しいほど切なく悲しい。だから、こころからその敵キャラを憎めないのはわたしだけではないと思う。今回の作品は2作を分け、立て続きに公開する仕掛け。ちょっと観客を弄ぶ的、展開だが許して上げましょう。お楽しみは少しづつということで・・・。剣心が使う逆刃刀をはじめ、左之助が使う斬馬刀、今回出て来た連刃刀とキャラたちが使う武道具やその奥義だけ見てても充分楽しめる。そしてファッションにも注目です。これは男たちしか解らないかも・・・。きっと新しい時代劇の幕開けになる作品になるのではと、大げさではなく思っています。原作の和月先生は実写映画は監督のものとはっきり言い切り、かつ一歩退いて観客として楽しめたと言っています。ふところの深いお言葉です。前作では作家である奥様・黒碕薫さんが脚本協力で参加されているとも聞いています。“伝説の最後編”は9月公開だが、待ち遠しくてたまりません。我慢して、再びコミックを読み返すことにしたでござる・・・。
Shoji UEKUSA