
2014. July. 22
宮崎監督の引退劇から10か月。スタジオ・ジブリの期待の星、(マロ)こと米林宏明監督作品“思い出のマーニー”を観て来ました。先週この映画の公開に合わせ“借り暮らしのアリエッティ”がTVで放映されました。もちろん映画は観ていますが、当然TVも観また泣かせてもらいました。宮崎さんや高畑さんの側で作品を創るのって、どんだけプレッシャーを感じるのでしょうか?よっぽど心臓に毛が生えているか、はたまた全くの鈍感か?いずれにしろ徒者では勤まらないジブリ。そのジブリの期待の星が2作目として発表した“思い出のマーニー”。鈴木プロデューサーから原作を渡され、「こんどこれを創ってみないか?」と言われた時の話がコメントに載っていました。いい話だがアニメにするのは難しいと悩んだそうです。そんな葛藤を乗り越え出来上がった作品“思い出のマーニー”。わたしは久しぶりに人目もはばからず、思いっきり泣かせて頂きました。アニメでこれほど泣いたのは“ほたるの墓”以来。米林宏明監督は雑誌のインタビューで、“アリエッティ”でやり残したことを次回作で描いてみたいと言っていました。何をやり残したのかは解りません。ただ、映画を観ると宮崎監督とも高畑監督とも違う、米林監督優しさが画面から溢れ出て来ます。両巨頭のスケールの大きいファンタジーはそこにはありませんが、わたしたちの身近にあるリアルな愛が見事に描かれています。この映画を観て米林監督のファン(オタク的)になりそうです。途中ラストが頭の中に思い浮かびましたが、その通りになりいっそう物語が身近に感じました。プログラムに監督のメッセージが観客に向け書いてありました。“もう一度子どものためのスタジオジブリ作品を創りたい”と・・・。確かにこの映画、子どもに観てもらいたい作品ですが、わたしは是非、親子見て欲しいと思います。そして忘れたしまっている大切なこと、ひとへの感謝の気持ちを思い出して欲しいと思います。米林監督の作品はまだ2つですが、どちらも大好きです。アリエッティの時の、虫目線のような感覚で描いたあの感覚はまるで小宇宙で、「自然てこんな風に見えるんだ」と新しい発見が出来たし、今回は「ひととひとの繋がり」っていう目には見えない大切なものをやさしく見せてくれたし・・・。次回作がいまから楽しみ。帰り道、自転車に乗りながら場面が思い浮かべ、何度も汗をふくふりをし涙を拭いました。完敗です。
P.S. 相変わらずの美しい画と美しい音楽はジブリならでは。「世界のジブリは永遠に不滅です!」ってちょっと古いですかね。プルシラ・アーンのテーマ曲も良いですね。翻訳を観たら目がウルウルしてしまいました。どうしてこんなにも、映画と音楽のコラボが上手いのでしょうか?まるで神懸かりです。
Shoji UEKUSA