2014. Feb. 03
今回の映画は、このところ立て続けに作品を発表しているマーヴェル発の「マイティ・ソー」。マーベルは映画部門を立ち上げ、所有するアメコミヒーローを次々に実写化。映画ファンの度肝をぬく超娯楽大作を、次々製作し楽しませてくれています。わたしの好きな「バットマン」や「スパイダーマン」をはじめ、多くのヒーローを配出しているマーヴェル。しばらくこの会社の勢いは止まりそうもありません。
今回の「マイティ・ソー」は、昨年観た「アベンジャーズ」ではじめて知ったわたし。恥ずかしいことですが、キャラクターの存在自体知らなかった有様・・・。他のキャラに比べ、どことなく違和感すら覚え、その出で立ちもちょっと古い感じがしたのが第一印象。武器は手に持つハンマー“ムジョルニア”。ハンマーを振るい敵を倒すってところが、古典的というか???ということで第一作目を観ておりません。その後キャラを知った“アベンジャーズ”で少し知識を得て、今回の作品に望みました。映像美のクォリティの高さには言うまでもなく驚き、さらに舞台美術や衣装・メイクに至るキャラ表現への愛着と拘りが見事に凝縮されていました。ストーリー自体も深く、神話の世界観をSFに絡めた展開は、他のヒーローものとはひと味違う面白さ。ソー(クリス・ヘムズワース)は神々の国のプリンス(雷神)ということがあらためて解り、なるほどとその出で立ちにやっと納得。食べず嫌いはやはり、よくありませんね。話の軸になる世界樹で繋がる9つの世界。そんな切り口も何か創造力をそそり、期待で胸が膨らむ。地球はそのひとつにあたり、名はミッドガルトと呼ばれている。ソーの住む星は、神の世界“アスガルドという惑星で9つの世界のバランスをまとめている中心的存在。相関図を見て他の星のことを知れば知るほど、まだまだこれから色々な話が続きそうでワクワクする。もしかするとアメコミヒーローの中では、かなり濃いオタク的な主人公かも知れない。出で立ちは中世の騎士みたいなのが、現代の地球に表れるので物語の中で度々“なにこの人”と思われるシーンが多い。コスプレ感が結構笑いのツボに入り、緊張した場面が一瞬で和らぐ。アメコミならではの笑いのセンスがちりばめられ、はまってしまう人も多いことだろう。日本にはない感性がやはりここにある。宇宙船などの形状も神秘性が上手に表現され、地球の建物とのアンバランスさが不思議な世界感を創ってくれる。特に印象に残ったシーンは、アスガルドでの王妃埋葬シーン。実に美しく、こころに残る演出になっていました。最後に、ソーの宿敵ロキ(トム・ヒドルストン)のことをひとこと。今回の物語は彼の存在感が秀でていて、悪のキャラでは「バットマン・ダークナイト」のジョーカーに匹敵するほどである。こうして見るとヒーローを語るには、悪役なくして存在しえないことが身にしみて解りました。“次回も期待していますよ!ロキさま!”。その前に、第一作も見よ〜ッと。