2013. Dec. 10
武士道の物語と言えば、忠臣蔵。日本人が大好きな、時代劇の代表的作品のひとつ。これをハリウッドがどんな風に、料理するのかと観に行った“47RONIN”。主演のキアヌ・リーブス(魁役)以外は、ほとんど日本人俳優たちが脇を固めている。いまや国際俳優として数多くの作品に出ている、真田広之が大石内蔵助を。宿敵の吉良を浅野忠信となかなか面白いキャスティングである。ビックリなのは、主人公が外人ということ。時代劇の王道を行く作品も、アメリカの制作に変わるとこうもエンターテイメントなものになるのかと、色んな意味で驚かされる。ある意味ここまで様変わりすると、潔く鑑賞に浸れる。昔の人たち(高齢者の方)は、ちょっと戸惑うのかもしれないが、わたしもほどなく高齢者ですが・・・。でも、充分作品を堪能し楽しみました。軸の部分は、ちゃんと武士道精神をコンセプトにしているが、あとは全て創作の世界で荒唐無稽の娯楽作品となっています。変な怪物や怪人が出て来たりし、スターウォーズの時代劇版とでも言おうか無茶苦茶。それでも、真田広之をつかい、しっかりと殺陣を演出した構成で魅せるところは魅せる。巧みな剣捌きは流石で、まさに日本の文化(剣術)を象徴するシーン。結構日本にサービスしています。思えばかのスターウォーズは、日本の殺陣をバトルシーンに取り入れた、SFの代表作に他ならない。この映画CGも高いレベルで駆使し、アクションシーンのスケールもパワーアップ。映画を鑑賞する人は、とにかくあまり先入観を持たず、全く新しいSF映画とみた方がきっと満足するに違い有りません。わたしは多いに楽しみ満足感を得ることが出来ました。映画は娯楽、これにつきます。映画はシリアスな作品もあれば、奇想天外な作品もあり自身でそれをチョイスして多いに楽しめればそれで良いと・・・。衣装や舞台美術など奇抜でちょっと中国風なとこなど、作り手側も楽しんでいる気がします。他の出演者では、田中泯さん(よく観るベテラン俳優)がなかなかの存在感で、矍鑠とした浅野内匠頭を演じていた。でも何と言っても良かったのは、謎の女(適役)を演じた菊池凛子。元ネタには出てこない架空のキャラですが、実にいい。妖艶な容姿を思いっきり弾けさせ、菊池ここに有りと他の出演者を文字通り喰っている。役そのままである。彼女のこれからの活躍も楽しみだ。と言うことで楽しめる作品である。あっと!余談だか仇討ちの本かいをとげ凱旋するシーンで、大石主税を母が抱きしめる定番シーンも出て来ますが、ホロッときてしまったのはわたしだけでしょうか?