我が子が通う江東区のT小学校。当時柄にもなくPTAの役員をやっていたのがきっかけで、わたしはK校長先生と知り合った。真っすぐな人柄の先生とはすぐに意気投合。ちょっと頑固なところなど、自分に似た部分がありとても親近感を覚えたのを思いだす。現在先生は別の小学校Mに移動したのだが、いまでも親交は続いている。T小時代わたしが、学校の“防犯マップ”や“卒業記念品”などをデザインしたのがことのはじまり。それらを高く評価してくださり、頼まれたのがこの冊子の表紙デザイン。2年おきに小学校の教職員を集めて開催される研究発表会。テーマに沿い公開授業を見学し、最後に研究発表会へと続く。そこでくばる研究紀要の冊子なのだが、今回は全国から800名以上の先生が集まると聞き、気合いを入れ制作に取りかかった。今年度の研究テーマは“「思考力・判断力・表現力」を育てる社会科授業の創造”。そして校長先生は、今回の研究紀要を最終章という位置づけで考えていると・・・。
第一章は“絆” 第2章は“無限” そして最終章・・・。いままでのコンセプトは、すべてこどもたちの姿をイメージし表現してきたもの。聞かせていただいたいろいろなお話から、最終章として導きだした表現は、「独り立ちするこどもたちが描く“未来の夢”」。それを“虹”に託しデザインを試行錯誤。どこまでもつづく子どもたちの夢に、わたしたちが出来ること。それこそが教育現場に必要な創造だと考え、3冊目が完成しました。
※作品掲載ページ