2013. Oct. 22
久しぶりの日本映画鑑賞に選んだものは、松本人志監督作品「R-100」。松本作品をはじめて拝見。ご存知、松ちゃんこと松本監督。お笑いの世界では知らない人はいない。その松本監督の4作目にあたるこの作品。お笑いの世界での話からはじめると、彼の感性はちょっと別次元なのか、いまひとつ自分のツボにはまらないのが事実。このためいままでの映画も見ていないのである。彼のことを天才と称賛する声は多い。そんな中あえて他の日本映画をスルーし、「R-100」に挑んで観た。
いやはや何と言うか、やはり松本ワールド大爆発。なにを考えているのか、分析不可能な世界が描かれていて、もしかして自分の頭が変なのか?と思ってしまうありさま。参りました、降参です。全体はシュールだが、後半の締め近くがハチャメチャ。もうやりたい放題である。これが松本ワールドなのか???
テーマはだれもが抱えているであろう、“日常の中のストレス”を摩訶不思議な異常行為の世界にはめ込み描いたもの???だと自分は思うが正直解りません。導入部はゾクゾクするほどシュールで高級なお酒でも飲んでいるような気分にさせられる。女優陣の出演時間はすくないのだが、それぞれのキャラを思う存分に使いきり観るものに迫ってくる。個人的には、サトエリ(佐藤江梨子)の寿司屋のシーンが好きだ。あと、富永愛のトイレのシーンも乾いた感じで毒々しいく迫るものがある。黒いボンテージに身を包み、無感情に罵声を浴びせるSM女王様たち。禁断の果実を口にしそれに溺れて行く、ごくごく普通なサラリーマンの主人公片山(大森南朋)。言葉にできない心情をCGを使い、顔の表情で見せているのだがちょっと気持ち悪い。それももちろん計算なのだろうが・・・。
現代人が抱えるストレス、そして社会が抱える混沌とした未来。それらをひとりの男に投影させ、やや危ないがちょっと覗いてみたくなる好奇心の世界を演出している。人間のうちに秘めたこころの隙間に入り込む矛盾した感情を、松本監督はどこまでもエゴイズムに描いた作品である。きっと、本人は解らなくてもいいと思って創っているような気さえする。アーチスト松本しか創れない世界が、表現されたいることは間違いない。賛否はもちろん別れること間違いなしだし、好き嫌いもはっきりする映画だ。でも、きっとこれが松本人志なのだ。
最後に「R-100」に込められた意味だが、映画鑑賞の年齢制限枠を冗談ぽく使ったなどという軽いものではなく、100歳まで生きればなんでも許されるということなのか???松本人志はもしかしたら、異次元から来たのかも知れません。みなさんはどう思いますか?