2013. Oct. 01
今回観た映画は、SFアクション映画「ELYSIUM」。長編第一作となるSF映画「第9地区」を発表し2009年アカデミー賞などにノミネートされたニール・ブロムカンプ監督作品である。残念ながら、「第9地区」を観ていないわたし。話題になっていたのだが、公開時に見落としてしまった。ただ今回の映画を観て、改めて「第9地区」を観なければという衝動にかられている。ここのところSF映画ばかり観ている自分。とくに選んでいる訳ではなく、公開される作品がここのところSFものが多いのが事実。そんな中で観たこの映画は、他のSF作品とは明らかに違うテイスト。ファンタジーの世界観ではなく、近未来を予測した映画。それもマイナーメージで捉えての創りである。舞台は2154年の設定、遥か遠い話でもなくすごく近い未来ということでもない。現代社会が抱えている問題をふまえ、監督が導きだしたダークな未来予想図。妙にリアルで可能性もある。前作を観ていないので何ともいえないが、「第9地区」の発想も現実味のある未来感と聞いている。監督は前作と同じテーマにしたつもりはないと語っているが、SF作品の衣を纏った社会派ドラマには違いない。34歳という若い監督がこういう作品を創るのかと・・・ちょっと驚き。特撮やCGはSF映画には当然不可欠で、この作品も見事に臨場感を表現している。だが何と言っても内容のリアリティさがこの作品の面白いところ。貧富の格差がこんな形で未来に横たわらないよう、政治家の方たちにもぜひ見て頂きたい作品です。
ひと言だけ注文が・・・。大好きなジュディ・フォスターが適役のデラコートを演じていましたが、もうちょっと突っ込んだ人物像(脚本)を描いてくれるともっと深みが出た気がします。少なくてもマット・デイモン演ずるマックスに対比させ、彼女がなぜああも冷徹で非情に行動できるのか表現してくれると・・・。彼女の最後もあっけなく、なんかもったいない気がします。大ファンからのひとことです。
真昼の空に浮かぶ、スペースコロニーの姿は不思議な美しさを感じさせてくれました。その分、地球の荒廃が未来の表裏をシンボライズされていたのが印象に残ります。「第9地区」をはやく観ようと思います。もうひとつ、同監督の次回作は、ヒュー・ジャックマンと組んでの作品だそうです。どんな映画になるのか、楽しみはつきません。