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よもやまシネマ-126 風立ちぬ
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2013.Sep.23

やっと宮崎監督最新作、“風立ちぬ”を観ることができました。いつもひとりで映画は鑑賞する自分。だが今回ばかりは、公開前から子どもたちとの約束がありじっと我慢。スケジュールがやっとあい、家族で劇場に足を運んだ。
今回の作品は公開前から話題が多く、ネット上に様々なコメントと憶測が流れ期待に拍車を掛けた。そして公開と合わせるかのような宮崎監督の引退会見。みな、“嘘〜っ!何で〜っ!!辞めないで”と思ったに違いない。
この作品はまぎれもなく、宮崎駿監督の覚悟だとわたしは受けとめた。ポニョの公開後、次回作が決まらず時間ばかりが過ぎたある日のこと。ブレーンでもある鈴木プロデューサーからの提案で“風立ちぬ”の名が上がった。しかし監督は“あれはだめだよ!アニメにはならない!!”と一笑。それはある雑誌の連載中の作品で、監督のプライベート的思考の強い作品。また、いままで描いてきたどの作品ともことなる現実的な話。そこに宮崎ファンタジーは影を潜めている。それでもあきらめない鈴木さんの言葉に、監督は“よし!”と意を決した。この時に監督が覚悟を決めたのかは、神のみぞ知る、いや監督のみぞ知るである。いままでとは違う、まさにまるごと宮崎監督といった作品かも・・・。作品は公開と同時に様々な批評がネット上に上がり、中には“子どもが泣き出して困った”などあれは宮崎作品ではないとまで・・・。わたしはそんな話も含め、さきほど監督の覚悟と言いました。解っていて創ったことは、ファンならみなさん解っていること。もちろん今までの作品と比べての、好き嫌いがあるのは当然。見る側のある意味、権利と自由。わたしは監督作品のすべてが大好き。いつもこころに忘れかけていたものを、観る度に思い出させてくれる。今度の作品も気持ちの良い涙を流すことが出来ました。
さて作品の内容には触れませんが、この作品で感じたことをもう少し話しましょう。作品の中に沢山のメッセージが詰まっています。そう感じるのはわたしだけかも知れませんが・・・。それらをひとつひとつ拾い集めるとまた違った意味で“風立ちぬ”を多いに楽しむことが出来ます。主人公のモデルになった堀越二郎は、監督そのもの。純粋でひたすら夢を追い続けそれを形にする。今回異色の抜擢で声優として起用された、“EVA"庵野監督もしかりである。声優に素人を使うのは冒険だ。意図的かも知れないが観客はきっと違和感を感じるに違いない。それは普通に考えれば当たり前。だが宮崎監督はそれ以上に主人公・堀越二郎という人物の中に、夢を追うものとして自分たちと同じものを感じたに違いない。こころが解る人に、やらせることがいちばん正しい選択ときっと思ったのだろう。話はちょっと脇にそれるが、以前庵野監督の“EVA"を宮崎監督はかなり厳しく批評をしている。“アニメは子どもたちの為に創るものでなければならない”、が監督の持論である。そこには監督の揺るぎないポリシーとプロ意識がある。ただ根底にある夢の形は、庵野監督も宮崎監督も表現の仕方は違えどきっと同じなのである。“ナウシカ”の中の、巨神兵のシーンを庵野監督が担当したのは周知の事実。そこにEVAの原点があるのは、ファンはみな知っている。“風立ちぬ”公開時のインタビュウーで、庵野監督は“宮さんがやっと大人になりました”と言ってのけました。この人も凄い人です。
ついでにもうひとつ、スタジオ・ジブリに入りたくて試験を受け見事落とされた人の中に、細田守監督(時をかける少女・おおかみこどもの雨と雪など)がいる。宮崎監督はその溢れる才能を認めた上で、あえて落したと言われている。その後、“ハウルの動く城”で抜擢されるも製作中止の洗礼。いろいろとあったようですが、きっと庵野監督同様、宮崎監督が期待している次世代を担う監督に間違いないひとりである。今後のジブリが気にかかるが、一番気を揉んでいるのは宮崎監督???いろんな意味で、やはり覚悟の作品だと思います。まるごと素の宮崎監督作品“風立ちぬ”をどうぞご覧あれ。きっと潔い感動と幸せを噛み締めることができるでしょう。
なんだかいつもより、熱くなり生意気を言ってしまいました。真実はやはり、監督のこころの中。大好きな宮崎駿監督のことなので、どうか許してください。
最後に劇中のもっとも印象に残った言葉を紹介します。
夢の中で、堀越二郎が尊敬するイタリアの飛行機制作者カプローニが言った言葉「大切なのはセンス。技術はあとからついてくる。」「創造的人生の持ち時間は10年。君の10年を力を尽くして生きなさい。」
なんと深い言葉だろうか。
by eddy-web | 2013-09-27 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
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