2013.Jun.14
今週は続けての映画鑑賞。選んだ作品は、グランドマスター。好きな映画と好きな武道とくれば観ずにはいられない。もうひとつミーハー的だが、チャン・ツィイーの大ファン。3つ揃えばもう即行動。と言う訳でグランド・マスターだが、映画と言うよりは武道の一代叙情詩を見せられた感じ。実在した達人たちにスポットをあて、いままで語られてこなかったその生涯がテーマ。武道発祥の地中国で、数ある流派の頂点に立ったであろう人物の話が軸になっている。実際には成し遂げられたとは言えないが、その名は後世に語り継がれている。主人公の葉問(イップ・マン)は詠春拳の宗師。かのブルース・リーの師匠であり、リーは継承最後の弟子とも言える。
映画は武道の神秘性を重厚感ある演出でまとめ、拳法の技や動きをハイスピードカメラで追い見事に映像化している。格闘技好きにはたまらない。音楽や衣装、美術そしてライティングやカメラワークと拘りは徹底し武道の奥深さを表現している。光と陰、水、雪、闇などを背景にしたアクションシーンは、強さや技の巧みさを超え、究極の美しさとも言える。躍動感は見るものを陶酔させ、眼を釘付けに・・・。
俳優さんたちはかなり武道指導を受け、撮影に臨んだと聞く。近年、アクション映画につきもののワイヤーアクションの嘘くささもさほどなく、スピード感あふれる殺陣を見せてくれ大満足。ブルー・スリーから始まったカンフー(武道)ブーム。ジャッキー・チェンやジェット・リーなど、みなハリウッドに進出し成功している。それは本物の武術を習得した裏付けがあればこそ。どんなに素晴らしい技術があっても、その見せ方(演出)が本物でなければ素晴らしい作品は生まれない。本物同士が融合し、本物の作品が出来上がるのである。
P.S.
チャン・ツィイーはやはり美しいと再認識。「初恋のきた道」で虜になり、沢山の作品を見てきました。大女優の風格が漂い女の強さ、儚さ、憂いなど様々な表情を見せてくれ、その魅力を存分に伝えてくれました。間違いなくアジアを代表する女優さんです。