2013.Jun.10
久々に洗練された映画に出会った。トム・クルーズ主演の“オブリビオン”がそれ。監督は前作“トロン:レガシーで”驚愕の映像美を作り出したジョセフ・コシンスキー。
正直トロンの時は、映像美ばかりが先行しすこし中身が薄かったように感じる。がしかし、今回は納得の内容で満足度100%。物語のオリジナリティ性、映像美、衣装、プロダクトデザインなどなど全てがスタイリシッシュ。とにかく無駄のない洗練された作品になっている。シンプル・イズ・ベスト、ただただカッコ良くて美しい。最近SF映画(CG映像)がやたら創られているが、本当に際立つ作品だと感じる。監督のセンスの良さが観るものを圧倒する。主人公の住むスカイタワーのシンプルかつシャープな居住空間に、まず度肝を抜かれ、乗り物のバブルシップのプロダクトデザインの美しさにため息をつく。その乗り物の動きはまさに未来そのもの。創造を遥かに超えたマシンである。
物語の舞台は2077年の地球。もはや人類はそこになく、残骸と化した人間の残した創造(建築物)が自然の中に横たわる。場面場面が一枚の絵画のように美しい。破壊された地球なのに・・・。これはあまり話を進めない方がいいと思うので、ぜひ自分の眼で確かめてください。中身のあるアクションがらみのSF映画とであったのは、大好きな「ブレード・ランナー”以来です。最後にとにかくスタイリッシュ。あっ、また言っちゃいました。これしか形容の言葉が見つかりません。有名な絵画が途中出て来ますが、そんな拘りの細かい演出にも監督の力を感じました。もちろんトム・クルーズも周りの出演者も監督とひとつになっていました。もう一回観たいと思わせてくれる一本です。