中島らもの小説、“今夜、全てのバーで”をテーマにカバーデサインを試みた。彼ほど破天荒な人生を歩んだひとも、そうはいない。小説家という看板のほか、戯曲家、随筆家、俳優、コピーライター、広告プランナー、ミュージシャンなど多彩な才能を持っていた。仲間は自称ミュージシャン、パンクス、フーテン、ジャンキー、山師、グルーピーとこれまた怪しげな集団。かなり危ない経験もあるようで、こころを病んでいたころアルコール依存になり、その体験を書いたのが“今夜、全てのバーで”だそうだ。この作品で、吉川英治文学新人賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。2004年不慮の転落事故により、52歳の若さで死去。
カバーデザインは集めた飲み屋のマッチを使い、ボトルの形状を創りそして撮影イメージ化してみた。作者の“お酒”へのこだわりと執着をひとつひとつ大切に、積み上げてみました。この作品が作者の1000分の1でも表現出来たかは分りませんが・・・。合掌。