宮本輝原作・小栗康平監督の第一回監督作品。この年の映画賞を総なめにした名作。
昭和30年の大阪を舞台にした、貧しくとも力強く生きる少年たちのひと夏の体験を描いた作品。生きることとはを、子どもたちの出会いと別れを通し描いた何とも言えぬ悲しく切ない物語。冒頭のシーンで大雨が降る中、少年(信雄)が橋の上から見た川面に映るコイの魚影(本当は黒色)と、もうひとりの少年(喜一)の母にイメージを重ね、装幀を創り上げてみました。ラストの船を追いかけ「きっちゃ〜ん」と叫ぶ信雄のシーンは思い出すだけで、涙がでてしまいます。