2012. Aug 15
リドリー・スコット監督の話題作「プロメテウス」を鑑賞。“人類の起源”をテーマにしたこの映画、監督がどんなイメージで映像表現をしてくれるのかと勇んで劇場へ・・・。監督の作品の中でも特に「ブレードランナー」の大ファン。「エイリアン」や「ブラックレイン」も好きだがヤッパリ一番は「ブレードランナー」。どの作品もストーリーの深みや独特の暗い映像表現の中の、ぎりぎりの緊迫感と何とも言えぬ喪失感がたまらなくこころを揺さぶる。「ブレードランナー」では人間の罪深さを、レプリカントたちが精一杯生きようとし、そして死で証明する。SF作品の中でもトップランクの作品だと思う自分である。そんな大好きな監督の新作に期待しない方がおかしい。
まずは冒頭から宇宙人の登場、そして洞窟の中の壁画発見と畳み掛けるプロローグ。映像はもちろんスケール感たっぷり。もうどんどん行っちゃって・・・て感じで話は進んでいくのですが。なんか途中からアレッって感じがしはじめた。まるでデジャヴのように???3Dを駆使した映像は確かに迫力があり、見応え充分。それに俳優たちもヒロインのノオミ・ラパスやアンドロイド役のマイケル・ファスベンダーなど存在感は抜群。ラパスはスウェーデン版「ドラゴンタトゥーの女」でハリウッド版を遥かに上回る熱演で一躍名を轟かせたひと。評判どおりの演技力には脱帽である。ファスベンダーも負けず劣らずの怪しいバイセクシャル感を漂わせ、無機質な演技でドキドキさせてくれる。シャーリーズ・セロンは相変わらず奇麗だし。言うことないキャスティングなのだが・・・!?
さきほどアレって感じと言いましたが、説明はしません。言えばナンダ〜ってことになるので、自分の目で確かめてください。この映画“人類の起源”をテーマにしたとのことですが、終わってみれば「A」の起源的に収まってしまった。これは良くも悪くも想像しなかったラストで、ちょっぴり何コレって感じです。少し頼んだ注文と違うものが届いたようで、なんか上手く説明できません。夏休みだし劇場に足をはこび、やっぱりみなさん自分の目でどうぞ確かめてください。