2012.Feb.1
ひさびさの投稿です。40日もの間、映画を観ること忘れていた。と言うか観たい欲望が湧かず時が過ぎてしまった気がする。久しぶりに足を運んだ作品「J・Edgar」。監督クリント・イーストウッドがディカプリオと組んで挑んだ話題作である。実在したFBI初代長官の話。この世を去るまでアメリカの8人の大統領に仕え、そして恐れられた男と宣伝文句が興味をそそる。イーストウッド監督の作品は、いつも満足感を満たしてくれる。今回も今までとはまた違う、地味目のテーマだがこころにずっしりと染みる。ディカプリオもしっかり応えての名演だ。ひとりで若き日から最後の時を迎えるまでのすべてを、見事演じてみせた。濃厚な役だが、監督とともにアメリカのタブーに真っ向挑んでいる。監督はメディアでフーバー(J・Edgar)のポートレイトを描いただけとさらっと言ってのけた。すごい人だ。多少の誇張や演出はあるのだろうが、実話と思えば興味もそそられる。歴史の断片を、それもアメリカの光と影の部分を表舞台には決して姿をみせないであろう人物にスポットをあてるあたりさすがイーストウッド。長めの作品だが、たるむことなく重厚。特殊メークの技術もうなるが、なんと行ってもディカプリオの熱演が光る。まさにアメリカを代表する俳優になったといえる。脇を固めている役者さん(ナオミ・ワッツ/アーミー・ハーマー/ジュデイ・デンチ)も素晴らしかった。特にインパクトがあったのは、母親役のジュデイ・デンチ。ベテランの存在感を圧倒的に示し、J・Edgarのすべてはこの人から生まれたと思わせる。「弱いエドガーは死んでしまえ」というセリフが出てくるが、深い愛の裏返しで怖い。また、いろんな意味で人生のパートナーとも言える役を演じた、イケメンのアーミー・ハーマーも良かったです。きっとこれから出てくる俳優さんに違いありません。
この映画、裏と表、陰と陽をひとりの人物を通し見事みせてくれた。ドロドロと重たい部分も盛り沢山だが、監督の深い愛はいつものように感じ取れる名作だ。ぜひ、鑑賞を・・・。ケネディ大統領やキング牧師、そしてリンドバーグなどなど、アメリカの表舞台で名を残した人物もさらっと登場し、歴史好きなひとにもお薦めです。