2011.Oct.12
またまた一か月、間が空いてしまった映画鑑賞。なかなか思い通りにはいかないからこそ、観るときは集中。今回選んだのは「猿の惑星」。1968年に公開された第一作は、強烈なラストのインパクトで見たものに忘れることの出来ない印象を残した。あれから43年の時が経ち、今回“なぜ猿が地球の支配者になったか”が解き明かされるという。当時14歳のわたしは映画を見終わった後、“地球は近い将来「核戦争」で滅んでしまう”と本気で思ってしまったのを思い出す。今改めて観ても、変わらない名作である。あれから何度となく、続編が創られたが一作目をどれも超えることはなかった。それぞれにエンタテイメントで楽しませてくれて、良きSF映画の一時代を創ってくれたと思う。近年(2001年)、わたしの好きなティム・バートン監督がリメイク(内容は全く違う)に挑戦したが、一作目にはとうてい及ばない作品になってしまった。結構彼の映像美に期待をして観たのだが・・・?中身がついてこれなかった感がある。さて今回の作品はと期待を込め、いざ鑑賞。この映画ははじめから、謎解きがテーマなのでいままでの作品とは別物と考えた方がいいかも。中身は現実的でリアルな内容だ。SFという夢の世界とは、ちょっと一線を引いて観るべきであろう。ただ、むかしのSFは夢と現実を上手につなぎ、こころを揺さぶるものが多かったような気がする。わたしだけが思うことだろうか?CGを存分に使い、猿(主人公たち)の実写に近い動きは素晴らしい。一切本物の猿は使われず、すべて人間が演じそれをCGで取り込み映像化。技術の凄さは言うことないし、猿の表情(怒り、悲しみといった)も人間以上に巧みで伝わってくる。だが、予想通りの展開で意外性のインパクトはあまりない。やはり内容です(技術より)。謎解きはリアルであればあるほど、何だか夢が薄くなりワクワク・ドキドキの余韻を楽しむことがなくなる。最近このような、過去に戻っての作品がふえているが、どうか別の意味であまり前作を意識せず、高揚感を残すような作品を創ってくれると嬉しいです。これってかってなわたしのお願いです。それかいっさい謎解きはせず、そのモヤモヤ感をず〜っと残すというのはどうでしょう。
それにしても、映画の中の話ですが「人間って本当に愚かな生き物」だと思い知らされる作品でした。