2011.Aug.02
大好きなジェット・リーの映画をシネスイッチで鑑賞。みなさんちょっと驚きませんか?アクションゼロの映画です。ジェット・リーはいまやだれもが知っている世界的アクションスター。最新作「エクスペンダブルズ」では、シルヴェスター・スタローン監督に招かれ、個性派ぞろいのアクションスターの中で相変わらず小気味よいアクションをみせてくれている。19歳の時「少林寺」で鮮烈にデビューし、リー・リンチェイの名をわたしのこころに刻み込んだ。並外れた身体能力の高いアクションは、ブルース・リーとも、ジャッキー・チェンともちがい鮮烈であった。その拳法の腕は、中国全国武術大会で5年連続優勝と聞けばうなずける。まさに筋金入りの本物である。わたしも恥ずかしながら、武の道を志し日々修行をいまだ積んでいるので、彼には多いに引かれるものがある。ジェット・リーの話はつきないので機会があれば叉にしよう。
「海洋天堂」実に地味な話だが、本当に良い映画でした。物語は“親子や人との絆”をテーマにした、特に目新しい題材でもない。ごくごく普通の、何処にでもいるような父と子の物語。ひとつ問題なのは、こどもが障害を持ち、そして父の命が余命いくばくもないという事実。ちょっと重いテーマだが、とてもシンプルにたんたんと描いていて胸を打つ。親はどんな状況に置かれても、決して諦めずこどもを守ろうとする、そんな姿に涙をさそう。リーは2006年「SPIRIT」を最後に武術映画から引退すると公言した。だが、やはり彼の武術センスをまわりがほっておく訳もなく、結局彼の思い通りにはなかなかならなかったようである。ファンもやはり彼のずば抜けたアクションを観たいのだろう。CGやワイヤーなど使わない、本物のアクションを・・・。そんななか彼自身が脚本を読み感動し、ぜひやってみたいと惚れ込んだのが「海洋天堂」。わたしはこの映画を観て、心底リーが好きになった。別の意味、体をつかったすばらしい演技をしていました。ぜったいにみなさんにお薦めの1本です。言葉を超えた、スキンシップの大切さをとても丁寧に描きじわじわと胸に染み込んでくる作品です。自閉症の息子ターフーを演じたウェン・ジャンは、素晴らしい演技で沢山の賞を手にしたそうです。この映画は、シュエ・シャオルーという女性監督が撮ったもの。女性ならではの感性できめ細かな演出をし、俳優さんたちの目の表情を実に大切にしていました。次回作も期待です。ラスト、ウミガメと泳ぐターフーはさかなそのもの。忘れられないシーンになりました。エンドロールに「平凡にして、偉大なるすべての父と母に捧ぐ」の言葉が深く心に残り、ひとり噛み締めた自分でした。