2011.July.20
2つの号外が、街を呑み込んだ。ひとつは大相撲の大関・魁皇関が、元横綱「千代の富士」が持つ、通算成績1045勝に並んだ日。前人未到の記録は、塗り替えられないだろうとだれもが思っていた。38歳の大関が初土俵からこつこつと積み上げた、重い重い大記録。千代の富士の記録とは、比較しようがない重みがそこにある。
上手をとらせたら角界随一の怪力で「伝家の宝刀・上手投げ」をくりだし相手を土俵にはわす。まさに「気は優しくて、力持ち」お相撲さんの代名詞がピッタリの魁皇。早くから横綱候補として期待された関取だが、度重なる怪我には勝てず、結局横綱にはなれなかった。それでも、相撲道を突き進み、多くの感動を私たちに残してくれました。“耐える強さ”とともに、魁皇の名は永遠の残ることでしょう。相撲界を取り巻く暗い話題を、ひとり打ち消した偉大な記録に心から拍手を贈りたい。昨日引退が報道され、そして1047勝で記録が止まった。いつかまた、記録が書き換えられる日が来るなら、きっと未来は明るいと信じます。“継続の大切さ”を改めて確信でき、いっぱい勇気をもらいました。「大関、ほんとうにおつかれさま。」
号外のもうひとつ。なでしこJAPANのワールドカップ優勝!!下馬評では優勝はないとされていた、日本女子サッカー「なでしこJAPAN」。やってくれました。決勝はもちろん、予選の試合もすべて観るものに感動を与えた試合ばかり。キャプテン・澤選手の決勝での同点ゴールは、何度観ても感動もの。日本の底力を絵に描いた、チームワークの勝利で日本中いや、世界中にその名を刻みました。また、男子にはない不思議な明るさが、チーム全体を包んでいるのが清々しく気持ちいい。マイナースポーツから積み上げて来た、ひとつひとつの努力と自信が、きっとあの明るさをつくっているにちがいありません。優勝のかかるPK戦のあの場面で、選手たちからこぼれる笑顔が何とも言えず印象的でした。なでしこたちの優勝も魁皇関の記録と同じように、簡単につかめるものではないことをだれもが解っている・・・。だからこそ、この優勝もまた重く価値がある。いま日本にいちばん必要なものはこの力、と誰もが思ったにちがいない。あらためて「おめでとう。そしてありがとう。」の言葉を贈ろう。