
2011.Feb.08
映像化はむずかしいと皆があきらめていた、若者に絶大な人気を誇る話題のカリスマ漫画「GANTZ」がとうとう映画になった。原作は残念ながら立ち読み程度でしか見てはいない。甲殻機動隊などの流れを組むSF作品のひとつと思ってはいるが・・・?ファンの方、違っていたらゴメンナサイ。
主人公を演じる松山ケンイチ。見るたびに全く違った役をこなし、いつも期待に応えてくれる好きな俳優さん。もう一人の主人公、二宮和也。TVで繊細な役をいつも演じ、「硫黄島からの手紙」では本当に素晴らしい演技をしていた。この二人がどんな想像の世界を見せてくれるのか、楽しみで鑑賞に来た。松山はつい最近「ノルウェイの森」を見てますます好きになった俳優。すごく美形とも言えないが、どくとくの雰囲気をもっている。「デス・ノート」のエルや、「デトロイト・メタル・シティ」のような個性豊かな役から、「男たちの大和」「椿三十郎」のような脇でも、しっかり存在感をだせる俳優である。個人的には「誰かが私にキスをした」の彼が好きである。
今回の映画だが、文句なく楽しかったです。奇想天外な発想のストーリーに加え、映像や美術、演出などすべてのレベルが高い。衣装やメカのデザイン、そしてCGも必要最低限の使い方でアクションとうまく絡め素晴らしい。「トロン」にも負けてなく、日本もやるなァ!!って・・・。最近のSFものでは、一番とわたしは思う。完結編も近々公開されるようだが、早く見たいものだ。脇を固めた、ピュアで危なっかしい吉高由里子、クールで冷酷な本郷奏多、弱気で頼りない中年田口トモロヲ、などいいキャスティングだった。なかでも岸本恵を演じた夏菜は、これから期待大である。戦闘シーンだけでも充分楽しめる作品だが、ゲームの世界に出てくるようなおちゃめな星人たち(ネギ・田中・おこりんぼう)は、ホントにユニークだ。現実と非現実の間を行ったり来たりするこの感覚、まるで催眠術にかかったような不思議な世界を楽しませてくれる。男子はこういう世界が大好きだ。
そう言えば、松山演じる“加藤”が劇中名を呼ばれる度、「帝都大戦」の加藤が頭に浮かんでしまった。思えばあの「帝都大戦」の感覚と似ているかも・・・。