

2011.Jan.27
今年最初に選んだ作品「ソーシャル・ネットワーク」。年明け早々、忙しさに映画鑑賞の時間がとれずイライラ。必死で観てもブログにあげられない日々。やっとの思いではじめての投稿になりました。実話をもとに描かれ、全米ほか多くの映画賞で絶賛されたと聞く。名誉、富、権力、友情、など時代を象徴するかのごとき、若者たちのいまを丹念に描いた、ある意味青春映画かも・・・?!。青春映画といえば爽やかであり、胸がキュンとなるようなものをだれもが想像すると思う。しかしこの映画、そんなものはいっさい描かれていない。大学を背景にした舞台劇を見ている感の、セリフをたんたんと言わせる地味な演出の映画である。そして見終わると何かなっとくのいかないモヤモヤした、後味の悪い気分とむなしさがこみ上げてくる。解説に「ソーシャル・ネットワーク」とは人と人との付き合いやつながりを意味すると謳われている。デヴィット・フィンチャー監督はそれをさかなでするように、皮肉をこめこの映画を描いたのだろうか?いやそんな浅いものではないことは、観れば納得する。19歳という若さで世界最大のネットワークサービス「フェイスブック」を立ち上げ、億万長者の仲間入りした伝説の主人公。運命的に手に入れたもの、そして失ったものの大きさを“栄光と孤独”という形で描き、私たちに何が幸せなのかを問いただしているのかもしれない。主人公は正直友だちになるには、かなりの変人タイプ。だが汚れをしらない、まぎれもない無垢な人物だ。それゆえひとを傷つけ誤解をまねく。きっと凡人には理解不可能な思考回路である。天才とは彼のようなひとをさすのだろう。はじめに言ったが何が幸せか不幸かは、ほんの少しのこころ持ち方で変わるという、そんなちっちゃなことだと痛感させる。ただ価値観はひとそれぞれ。面白い映画とは言えないが、時代の最先端をテーマにしてはいるが、ビックリするほどまじめな映画である。映画が終わりスーパーが流れだすと同時に、観客がみんな席を立って出て行ってしまった。館内に明かりが灯るまでいたのは残念だがわたしだけ。年をめした方たちには、この感覚は受け入れられないのだろうか・・・。
主人公を演じたジェシー・アイゼンバーグはむずかしい役を見事に演じ、こんど新スパイダーマンをやるらしい。楽しみである。