2010.Aug.6
猛暑をぬって、またまたギンレイホールを訪ねました。時間ギリギリだったせいで、あわや立見。それにしてもこのにぎわいは凄い。圧倒的に中高年の方が多いのだが、映画好きの匂いがプンプン。今日は見落とした映画「しあわせの隠れ場所」。今年アカデミー主演女優賞を獲得した作品で、主演はサンドラ・ブロック。「スピード」でブレイクした彼女だが、この映画では強い女・母・人間をピシッと演じわけている。実話がベースの映画だが、こんなことって本当にあるんだとちょっと嬉しくもあり、逆に現実はもっと厳しいのだろうと考えさせられる。アメフトをモチーフにした映画は有名な「ジョーイ」がある。あれも実話がベースだった。変わり種では、囚人たちのチームを描いたバート・レイノルズの「ロンゲスト・ヤード」がある。これは異端だがグッときた作品です。あげたらきりがない。アメリカの象徴スポーツだから、きっとテーマにしやすいのでしょう。
内容だがひとことでいえば、アメリカンドリーム。だが、そんな簡単な言葉ではかたずかない深い物語である。深くこころに傷をおう人と交わらない黒人青年が、少しづつこころを開いてゆく。主人公のリー・アン・テューイ(サンドラ・ブロック)とマイケル(クイントン・アーロン)の会話シーンで最も印象に残った、部屋を与えるシーンは泣かされる。“自分のベッドなんてはじめて・・・”という言葉に彼女が表情を変えず聞き、自分の部屋にもどり佇むシーンは大好きなシーン。それにしても家族みんないい人ばかりで、嘘のような話である。こんな斜めな見方は怒られるのを承知で言うと、この物語は万にひとつの奇跡だと感じる。マイケルの友人が銃で21歳の若さでこの世を去り、彼マイケルの成功は偶然のような言い回しをしていた。きっとこれが現実なのだろう・・・。
ズ~ッと泣きっぱなしの自分でしたが、両隣のおじさんも同じでした。なにか妙な連帯感を感じたこの日。温かい気持ちになれる素晴しい映画でした。お薦めの一本です。余談ですがサンドラ・ブロックはこの年「ウルトラ I LOVE YOU!」という映画で、最悪の映画に贈られるゴールデンラズベリー賞・最低主演女優賞にも輝き、同年アカデミー賞と合わせ初の二冠に輝いた。そして彼女は授賞式で観客に向い「あなたたちは、映画の良さが解らない!」と、ジョークをまじえ切りすてたそうです。カッコイイ女性ですね。拍手!!