
2010.Feb.1
銀座に出たついでに、観たかった映画「Dr.パルナサスの鏡」を鑑賞。昨年、急逝したヒース・レジャーの遺作である。「12モンキーズ」の奇才テリー・ギリアム監督が手がけた作品としても注目されていたが、撮影半ばで逝ったヒースの役を3人の親友が引き継いで完成した事で別の意味話題作となった。頓挫しかけた作品が監督をはじめ、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルラ3人の俳優が代役をし完成させた作品は、ある意味ロマンと絆を感じさせる。それにしても、ヒース・レジャーの可能性には観るからに残念でならない。バットマン「ダークナイト」の演技でアカデミー賞助演男優賞を取ったのは、記憶に新しいところだが、あの映画はジョーカーが主役の映画と言っても過言ではない。そんな彼が挑んでいた作品は、少々難解である。ただギリアム監督の映像の魔術と、ヒースの渾身の演技には本当に魅了される。友情で参加した、3人もヒースのイメージを大切にし演じていたように思う。人間の愚かさや悲哀を、おとなのおとぎ話(夢・悪夢)にして、独特の感性と映像美で表現している。ギリアム監督が溢れる想像力ぶつけ、子どものように無邪気に創った作品と言えるだろう。パンフの表紙を観て察することが出来るように、幻想的でとても美しい映画である。理詰めで観るとツマラナイ気がするので、感性を解放して観る事をお薦めしたい。あとパルナサス博士の娘ヴァレンティナを演じていた、リリー・コール。彼女の持つ不思議な雰囲気が、とても印象に残ったことをひとつ言っておこう。