
09.Nov.09
原作はカムイ伝から繋がる、白土三平の長編作品である。いまだに完結していないそれは、読者が待ち望む作品と言える。カムイ伝の中に出て来る、登場人物のひとりカムイを抜き出し描かれた「カムイ外伝」。白土と言えば忍者。だれもが知るその道の漫画家である。だがそれ以上に凄いのは、歴史についての知識が半端ではなく、本物が描く世界に繁栄されていることだ。ある雑誌で読んだ記事に、ある歴史研究家がその知識を参考にしに訪ねてきたことがあると・・・。わたしは小学生の頃、「ワタリ」「サスケ」に夢中で、漫画の途中にでてくる、忍術の解説がたまらなく好きだった。実際にできるのだと試そうと思ったことがある。
そんな作品がどんな映画になるのか、本当に楽しみだった。鑑賞後の言葉は残念ながら「ン~ンッ???」。どう言ったらいいのか・・・言葉が見つからない。何が描きたかったのか、正直解らない。リアリティを出したかったのか、CGやらワイヤーやらいろいろ使ってはいるのだが、すべて逆効果。すごく嘘くさく薄っぺらい、そしてただ殺伐としている。原作はもちろん殺伐とした、不条理の世界が描かれている。だがもっとカムイの内面的な叫びを表現でかなかったのだろうか?アクションはやはり経験者(プロ)が絡まないと、本物にならないことがはっきりわかる映画だ。その上でのCGでありワイヤーなのである。だがそれもメインではきっとない。「カムイ外伝」はもっと深い話だと思うわたしである。