2024.12.05. 今日ご紹介する作品は、“正体”。若手俳優さんが次々と現れ、日本映画界がとても賑やかになってきている。そんな中でも人一倍光を放っている感のある俳優が、今作の主人公・鏑木を演じている横浜流星くん。今作の監督・藤井道人とは3回目のタッグを組み、4年越しの企画となる作品。二人は互いにデビュー以来多くの経験を経て、まさに機は熟したタイミングでの集大成と位置付けているようだ。原作は染井為人氏による同名サスペンス小説。原作は読んでいませんのでわかりませんが、以前WOWOWでもTVドラマ化されていて、結末は異なっているそうだが染井氏は感謝の意を述べている。こちらも観ていないのでわかりませんが、元があっても違うジャンルで新たな表現に生まれ変わることはクリエイティブでいいこと。昔は原作と違うことでファンからのブーイングが起きたり、作家さんと映画制作側が揉めた話をよく耳にしましたが、もうそんな時代ではないのかも知れません。 さて、映画の感想に入る前にちょっと思い出話を・・・。 今作を観る前にこの作品の情報を少し読んでいたら、中学生の頃にハマっていたアメリカの連続TVドラマが頭に浮かんできました。そのドラマは少し本編と設定は違うものの、無実の罪で死刑判決を受け、護送途中に逃亡をし真犯人を探し追い詰めていくという設定の物語。その題名は「逃亡者」。このドラマには姉がまずハマり、次第にわたしが取り込まれていった経緯があります。物語の冒頭で読まれるナレーションが印象的で、姉はそのセリフをノートに書き留め口ずさんでいたことを思い出します。「リチャード・キンブル、職業医師。彼は身に覚えのない妻殺しの罪で・・・。」といった主人公の紹介文。今でも耳に残り、とても強い記憶として残っています。その後(1993年)にハリソン・フォード主演でリメイク映画化され、こちらを知るファンは多いはず。わたしにはやっぱりTVのキンブルを演じたデビッド・ジャンセンが唯一無二の人で、今でも大好きです。(ブロマイドも持っています)残念ながら、48歳の若さでこの世を去りましたが、当時姉同様女性ファンの絶大な人気を得ていたことが記されています。男のわたしでも好きになるくらいですから・・・。このドラマは120話に及ぶシリーズもので、全部観たとは言えませんが心にのこる往年の名作としてしっかり頭に焼き付いている。すみません、めちゃくちゃ脱線してしまいました。つい思い入れが深く、どうしても一言言いたかったもので、お許しください。m(_ _)m さて、話を戻して“正体”のお話です。原作を読んでないのでとは先ほども言いましたが、脚本は至ってシンプルな構成となっています。あまり余計な説明がないので、終わってから少しだけ???という部分が出てきます。最近ニュースでもよく取り上げられている死刑廃止の言論。ここは深い話なので踏み込んだ意見は避けますが、映画の中ではかなり司法の無茶な法の取り扱いをしていました。あえて言いませんが、そこはシンプルに映画を楽しむことをお勧めします・・・。藤井道人監督は“新聞記者”という作品で、その年の映画賞を総なめにした人。社会の理不尽な仕組みに意を唱えた社会問題をテーマにした作品が賞賛されたことは知られている。あの作品はかなり突っ込んだメスの入れ方をしていましたが、今作は至ってシンプル。単純明快な展開なので、肩の力を抜いて観ることができました。この作品は主役の鏑木を演じた横浜流星くんの演技力に尽きるのではないでしょうか?「5つの顔を持つ男」というフレーズでの、主人公の逃亡劇は、その昔「7つの顔を持つ女」でしたっけ?実際にいた女性逃亡犯がいましたが、その事件がちょっと頭をよぎりました。またまた横道にそれました。流星くんの全然同じ人だとは思えないくらいに、スパイスの効いた演じ分け感服しました。内面にある人間味あふれる感情の表現は素晴らしく、若いのにすごいなぁ~~っと思いました。逃亡中に出会う人々との触れ合う中、真っ直ぐな性格は出会った人のこころを溶かし、「この人が悪いことをするはずがない」と思わせていく。静と動の演じ分けが見事で体を張った渾身の演技がビシビシと伝わってきました。それにしてもよく走っています。体力は半端ないなぁ~っと、関心します。憂いを秘めた瞳は健在で、女性のこころは虜になることでしょう。素晴らしかったです。 脇を固めた俳優さんたちの演技も、なんか自然体ですんなりと入ってきました。それぞれが社会的弱者の部分を背負っていることが、きめ細やかに表現されていて好感を持ちます。主人公・鏑木を必要に追う刑事役・又貫の山田孝之さんが、これもまた難しい役に挑戦していますがいい感じです。司法と間で揺れ動く刑事の役をこれまた、きめ細やかに演じていますが最近の作品ではちょっと老け役というかベテランの味が出始め、俳優さんとしていよいよ円熟味が出てきているようです。最近観た“十一人の賊軍”でも今までとは違ったイメージを披露しています。ラストは涙してしまいますが、これはまんまと柵にハマった証拠。細かいことは気にしないで、映画にのめり込んで観るのもこれもまたエンタメと言えるでしょう。ぜひ、ご覧あれ! P.S. 主人公鏑木の別の顔・那須と焼き鳥屋で編集者・安藤(吉岡里帆)とが焼き鳥を食べながら会話をするシーンが好きです。淡々と話をしながら「こんなに美味いもんがあるんですね」と無邪気に話す那須に驚く安藤が、ひとつにつながるシーン。その後の那須の涙するカットはたまりません。 #
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| 2024-12-07 00:00
| よもやまCINEMA(映画の話)
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皆様お元気でお過ごしでしょうか?歳を重ねる度に一年があっと言う間に感じる今日この頃。2024年も余すところ、1ヶ月を切りました。本年も皆様には大変お世話になり、心より感謝しております。 さて、来年の賀状挨拶ですが6月に不幸があり、申し訳ありませんが失礼させていただきます。皆様にとって2025年が幸多き年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。 #
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| 2024-12-04 00:00
| ごあいさつ
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2024.12.02. 公開を待ちわびていた作品、“雨の中の慾情”を観に・・・。原作は漫画家つげ義春の作品で、いくつかの短編を繋げてまとめあげたものと聞いている。つげ義春さんのファンはちょっと他の漫画ファンとは違う、かなり異端の人たちではないでしょうか?昭和を代表する漫画家さんの一人ですが、どの作家さんとも違う唯一無二の表現力と世界観を創り上げる人。それは誰にも真似できない、独特のまさにつげワールド。今もご存命で87歳になるとのこと。1987年以降執筆活動はしていないのだが、いまだにファンは多く、何度読み返しても新しい発見がある。凡人には創造すらできない幻想性、叙情性の強いシュールな世界を創り上げ熱狂的なファンが沢山いると聞いています。私もそのひとり・・・。 現代コミック全集という書籍全巻の中につげさんも入っていて、それまでに触れたことのない不思議で幻想的な世界に引き摺り込まれたことを思い出す。当時中学生で手塚治虫さんや永島慎二さん、水木しげるさんなどに夢中だったわたし。さっきの全集には皆さん名を連ねています。この全集はわたしの宝物の一つで、時折開いては当時のことをお観だしています。学生運動真っ只中の頃、「ガロ」を通して全共闘世代の学生たちに大人気となりシュールな作風は漫画界以外の美術や文学界からの高い評価を得ています。 つげ義春という人物に興味を抱いたのは、やはり他の作家さんにはない世界(夢)の表現。正直中学生の頃は、チンプンカンプンで理解していたとは正直言えない。ただなんだか解らないが、感性に響いてくるなんとも言えないエネルギーを感じていたことだけは間違いない。つげさんの作品の源になっているのは、少年期から青年期に至る体験からなることは調べると浮かんできます。長くなるので、興味がある方は調べてください。つげ義春信者の方なら、皆さん知っていることかも知れません。 竹中直人が監督・主演で映画化された“無能の人”がヴェネツィア国際映画祭で賞をとり、つげ義春の作品が再び脚光を浴びたのが1991年。その後も映画化された作品も多いが、2004年の“リアリズムの宿(山下敦弘監督)が最後になっていた。あれから20年、やっとつげ作品を鑑賞する日がやってきました。どんなにこの日を待ちわびたことか? さて、映画の感想です。監督は気鋭の片山慎三氏で、04年頃から助監督を始め、07年に縁があってポン・ジュノ監督(半地下の家族)に出会い、映画づくりへの姿勢に感銘を受け監督のもとで作品作りを学んだと・・・。思うにつげさんの作品とジュノ監督の作品とは何か繋がる感性(反骨)を感じます。そして片山監督は間違いなく、この二人の熱狂的ファンであることが映画、“雨の中の慾情”を観て確信しました。 映画の導入部からいきなりつげワールド全開の表現力で、一気にスクリーンの中へ、引き摺り込まれる。気がつくと何が現実で何が幻日なのか解らない状態で物語は進む。観終わるとと全身の毛穴が開いたような、もぬけのから状態に至る。言葉にはできない疲労感に包まれ、身体が重い。ただ不愉快な疲労感ではなく、むしろ心地よい気だるさを覚えるだから面白い。きっとこの感覚は、好き嫌いが分かれるギリギリの感覚かも知れない。元々つげ氏の作品は短編が多く、説明的な描写はなく唐突な表現が多い。観る側に委ねた形で、それぞれの心に問いかけてくる深層心理のあやとりみたいなもの。この迷宮に迷い込んだらもう抜け出せません。夢と現実がごちゃ混ぜになり、最後は空っぽになってしまう心。たださっきも言いましたが、これは決して不愉快でなく心が揺さぶられるから不思議。片山監督はつげ義春が大好きだろうなと、思える素晴らしい表現になっています。過激な表現も幾度か出てきますが、しっかりと構成され計算に基づいた脚本と演出に、改めてつげさんのファンになりました。映像や音楽、効果音、衣装、舞台美術ときめの細やかなこだわりが随所に見られ、印象に残るシーンが沢山ありました。台湾でオールロケをしたということで、日本とはまた違った戦中の雰囲気が異国情緒を醸し出し独特の世界が創られています。わたしはよくぞここまでつげ義春の世界を再現してくれたと拍手です。つげファンなら絶対に観なくてはいけない作品です。もしかしたら「つげワールド」はこんなもんじゃないと言う人もいるかも知れませんが・・・。まずはご覧あれ!! P.S. 物語の主人公義男役を成田凌さんが演じています。今までにない難しい役所だったのではないでしょうか?ものすごく繊細な感情表現が多い上に、真逆な身体を張った大胆な性描写(R15+指定)。今まで見たことのない成田凌さんの俳優としての一面が浮かび上がる素晴らしい演技ではないでしょうか?また、相手役・福子を演じた中村映理子さんもまた、素晴らしい演技で、謎めいていて匂い立つような女の性をスクリーンからほとばしらせ観客の目を釘付けにします。結構色々な作品に出ているようですが、主役級は初めてなのでしょうか?なんとも言えない雰囲気を持っていて、俳優さんの世界も広いと言うことを実感しました。また、脇を固めた森田剛さん、竹中直人さんもまた強いインパクトを残す演技で、物語に厚みを加えています。つげさんの大ファンを公言している彼は、きっと出たかった役に違いありません。 さて、皆さんはこの作品をどう評価しますか?わたしは映画はもちろん、 !(^g^)! そしてつげ義春にm(_ _)m です。 ※名曲アマポーラをバックにしたダンスシーンは素敵でした。 #
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| 2024-12-03 00:00
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2024.11.25. 今日は仕事を休みにしゆっくりしようかと思っていたが、やっぱり無理で気がつくと映画館へと足を運んでいた。ここのところ選んで時代劇を観てきたのだが、見落としている作品、“八犬伝”をようやく鑑賞。 役所広司さんをはじめ、豪華なキャストのラインナップにまずは引かれてのチョイスした作品は、子どもの頃に観たTVドラマの「里見八犬伝」。今もしっかりと心に残るチャンバラ劇が、どんなふうに変わり描かれているのか、もう一度観たい衝動に駆られてやってきた。 はじめて観たのは小学校4~5年だったと思う。TVドラマで倉丘伸太郎さんが主演の連続ドラマで、チャンバラFが大好きだったわたしは、毎週TVの前に正座して見ていたことが思い出される。ここが八犬伝との出会いで、その後も映画などで何度も姿を変え表現されたが、その都度壮大なスケールの時代活劇に心を踊らせクイいいるように観たことが懐かしい。特に好きなのはNHKの人形劇、“新八犬伝”。辻村ジュザブローさんが人形美術を担当したのも話題となり、人気を博した作品です。八犬士の個性豊かな表情と贅沢な衣装に、物語はもちろんその美術表現に子供ながら釘付けになったもの。わたしは特に犬山道節と言うキャラが大好きで、よく顔マネをして友達を笑わせていました。片方の眼が吊り上がった歌舞伎調の変顔が、わたしの心に刺さり大好きになったことを思い出す。 さて、この辺で今作、“八犬伝”の感想に入ろう。作品は今までの「里見八犬伝」とは異なり、原作者・曲亭(滝沢)馬琴にスポットを当てたながらの二刀流(コラボ)表現になっている。山田風太郎の原作を元にした、エンタメ作品は虚と実を巧に操る形で、新たな表現を生み出している。今までにない面白い切り口に期待は膨らむ・・・。正直に言わせてもらうが、この仕掛けは単純なファンタジー作品を、逆に複雑にしてしまいテーマが明確に伝わって来ませんでした。クリエーターの産みの苦しみみたいなものは充分と伝わっただが、馬琴が生涯(28年)をかけて残したかった作品の意味とは・・・。北斎との関係は実話としてとても興味深い話で、クセの強いクリエーター同士の丁々発止のやり取りは見ていて飽きない。親友を超えたまさに同志と呼べるような関係が、見事に浮かび上がりこんな関係が、“八犬伝”誕生の裏側にあったのか?とますます作品の重さと凄さを感じる。互いにリスペクトしてるからこその、やり取りに思わずほくそ笑んでしまう。もし“八犬伝”の挿絵を北斎か描いていたら、それこそ国宝級の作品になったに違いない。互いの才能に惚れ構想を明かす馬琴に釣れないそぶりをしながら、ラフを描き刺激を与え作品を書かせる北斎の天才同士にしか解らない関係があるようだ。羨ましい限りの関係だが、二人が天才だからこその親密なものなのか知れない。実の部分となる馬琴と北斎、それと周りの家族との関係性など新たな発見があり、そのすべてが“八犬伝”誕生の源になっていることが証明されている。執筆の間を取り持つ形で、“八犬伝”の虚(ファンタジー)の世界が、絡む展開だがぶつ切り状態の演出にここはちょっと違和感を感じたわたし。VFXを使った映像は良く出来ていと思うのだが、もっと違うアプローチもあったのではないかと思う。例えば北斎が書いたラフを参考にしたアニメとか???今まで何度も実写化された作品なので、物語の内容はもちろん八犬士のキャラもある程度知っている。その個性豊かな人々の関わりと葛藤こそ“八犬伝”の肝。その部分が薄くなり実の部分に負けてしまっていたように思えるのが残念。ちょっと欲張りすぎた感がある。28年も掛かって完成した作品を、そんな簡単にまとめる事など出来ないということ。それでも馬琴の生き様と“八犬伝”への愛情がよくわかり、ますます“八犬伝”が大好きになりました。先に述べたように子供の頃から、チャンバラ活劇のバイブルとも呼べる“八犬伝”は、まさに娯楽文学の金字塔。これからもどんどん新しいアプローチで、新たな付加価値を加え映画やアニメ、歌舞伎と大いに観客を楽しませてほしいと思う。馬琴最高!!江戸時代の作品とは思えない、とてつもない想像力のエネルギーの詰まった傑作は日本の宝です。 P.S. 馬琴を演じた役所広司さん、葛飾北斎を演じた内野聖陽さんはこの作品と役を楽しんでいるかのような芝居をしていて二人の関係を見事演じきっています。虚(八犬伝)の部分は将来を嘱望された若手の俳優さんたちが、頑張ってはつらつと演じていました。注目している河合優実さんも出ていて、嬉しかったです。もうちょっと出番があったら個人的にもっと嬉しかったです(^ ^;) 豪華な俳優陣の出演ですが、やっぱりすごいなぁ~~と思ったのは、馬琴の妻・お百を演じた寺島しのぶさん。憎まれっ子役に徹していましたが、とてもキュートで可愛い奥さんでした。死ぬ間際の一言「ちくしょ~~っ!」は、馬琴に対する愛情の深さを感じる名セリフとなり、心に沁みました。馬琴が目が見えなくなっても尚最後まで書き続けた物語には、家族の愛があってのものでした。 #
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| 2024-11-28 00:00
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銭湯探訪74・常盤湯(足立区足立4) 2024.11.24. 久しぶりに土・日と続けてお休みの道場。そんな日を利用して行くのは、もちろん銭湯巡礼旅。今回も門下生Kを誘っての珍道中。前日出稽古に行っていることを知っていたので、遠出はさけKの住む足立区をチョイス。とはいえ足立区もかなりの頻度で来ているので、訪問先を選ぶのは結構大変。やはり重要なのは交通の便とフットワークの良い立地。そんなに都合よくはいかないが、いつもそれなりに満足するいや、大体大満足の結果で終わっている。今回も事前に色々調べた挙句、Kに連絡をとり足立区の五反野駅で待ち合わせ。ところが、チョイスしたお風呂屋が一度行ったところだったことを、待ち合わせに行く途中の電車の中で気づき大慌てで別の場所を探す羽目に・・・。駅前でKと会いその話をすると、わかっていたが気を使ってもらっていると思い言えなかったとの事。普段は何でも無礼講で喋るくせに、変なところで気を遣う可愛い門下生です。 ということで探した別の銭湯を目指したのですが、これまた目的地に辿り着けないバタバタの展開。駅から遠いところでバスで行く予定だったのだが、バスが1時間に2本程度のローカル線。汗だくになり歩いた末に、待ち時間が合わずこれまた撃沈。ここで諦めないのがわたしなので、再び別の銭湯を探しやっとのことで、今回の銭湯、“常盤湯”に辿り着いいた。五反野周辺に銭湯が多くて、ある意味助かったのは幸いである。再び電車に乗ってと言う選択肢はわたしの中にはなく、常に最短で臨機応変の対応するのが銭湯巡礼の醍醐味。こんなことは覚悟の上の、銭湯好きである。 と言うことで前置きが長くなりましたが、1時間ほど街を彷徨い辿り着いいた銭湯は、“常盤湯”。実は五反野駅から4~5分の駅近の銭湯で、はじめからここにしていれば無駄に時間を使う事もなかったのだが、これが巡礼の面白さ。こんな時間こそむしろ面白いと思わなければ、続けることなどできない。Kもようやくその境地に近づいて来たようである。 “常盤湯”前に立つと、空に向かいぐんと伸びて聳り立つ四角い煙突が目に飛び込んで来た。やっと辿り着いた喜びと、早くお湯に身を浸したいと思う気持ちが交差しルンルン気分で扉を開けた。フロントのご主人が笑顔で迎えてくれ、何だかこれだけで救われた。この日はりんご湯の日ということで、70歳以上は割引と言われ、これまたラッキ~~~!と思わず心でガッツポーズ。取り敢えず区外の者ですが良いのかと尋ねたら、OKと言われ彷徨った分のご褒美をもらったと神に感謝。フロントで料金を払うとカウンター前にあるりんご箱に沢山のりんごが入っていて、「お一つどうぞ!」と言われた。これまた嬉しいサプライズ。苦あれば楽ありの逆バージョン。ご主人もいい感じの人で、これだけでもうこの銭湯が好きになった。やっぱり接客は大切なポイントだと改めて感じた瞬間です。ビルの2階にある“常盤湯”は、特別な感じはないごくオーソドックスな街の銭湯。 ちょっと変わっているのは湯舟の後ろが窓になっていて、外からの外光が差し込む。窓と湯舟の間に一枚壁があり、そこにタイル画が描かれている。大きな松の木が2本真ん中に立つ風景画だが、何処の風景かは解らない???湯舟は横に一列綺麗に並び、バイブラやジェットなどバランスよく設置されていた。井戸水を汲み上げ沸かしているらしくやや熱めだが、わたしにはベスト。洗い場も結構ゆったりとしていて広いのが、いい感じである。BGMがず~~~っと流れていて、これも癒し効果を増してくれ嬉しい。有線なのかなぁ~~? ながぁ~~い一日になったが、終わりよければ全て良しのいい一日でした。 滞在時間は約1時間20分。帰りは銭湯の隣に出店していた中華料理店で、湯上がりの一杯。あ~~ぁ、この瞬間がたまりません。これだから銭湯はやめられません。今日も付き合ってもらってありがとうK平。今年もあと1ヶ月あまりとなりましたが、あと2回くらいは行けるかな? P.S. 湯舟の壁にお湯の説明文が書かれていて、読みってしまった。内容は青森の玉川温泉を再現した人工ラジウム温泉とあり、“ゲルマニュウム遠赤外線とラドンによるホルミシス効果により、体の内外から健康になれる有り難いお湯”とのこと。よく分かりませんが何だか元気になりそうです。 #
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| 2024-11-25 00:00
| Love ゆ Tokyo(銭湯探訪)
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