![]() ![]() 2023.3.17. DCの新作、“シャザム!~神々の怒り~”を鑑賞。実は前作を観ていないわたしは、このキャラがあまり好みではなく実は敬遠していました。DCのキャラはMARVELとは明らかに違い、どちらかと言えば硬派。偏見かも知れませんが、そんな中で登場したのが“シャザム”でスーパーマンのような出立だが、そこまでスマートでもなく強そうにも見えず、何かチャラ男の印象が強く勝手にさけてきました。ただ、今回は予告でも何かひかれるものがあり、そしてここのところ濃い目の映画鑑賞が続いたのもあり、ちょっと休憩をかねての鑑賞となった。言い方が失礼かも知れませんが、けっして馬鹿にしている訳ではありません。制作スタッフの方は、どうか気を悪くされないでください。 さて、感想ですが思っていた以上に面白かったです。内容は良くあるパターンですが、仲間との友情や絆の深さが見て取れ、結構好きなタイプのキャラでした。こどもが大人に変身してというあたりが一番の魅力で、失敗を繰り返し成長するというコンセプトはMARVELの「スパイダーマン」とかぶります。見た目は全然違いますが・・・?食わず嫌いはやはり良くないことが良く解りました。観ていないので何とも言えませんが、主人公や仲間との関係や生い立ちなどが深そうな様子だったので観てみようと思います。 キャッチが「中身が子どもの半人前ヒーロー」と謳われ、観れば納得の危なっかしいところばかりだが、その頼りなさが逆に反面教師的輝きをはなち放っておけないタイプのヒーローです。観客は自信とイメージを重ね、優等生ではないが一生懸命頑張っている姿に感動するのでしょうきっと・・・。「シャザム!」と魔法の呪文を唱えると変身する主人公だが、少し前に観た“ブラック・アダム”も同じなのでチャンと線引きをしてほしい気もします。呪文の言葉として共通言語として使うなら良いと思いますが、固有名詞のキャラ名をつけてやって欲しいものです。この作品もマルチバースの世界を物語の軸にしての展開ですが、もともと解明されていない仮説の物理的理論なので、どうとでも表現出来る材料。だが何でもかんでもこの要素を取り込む作風は、すこし考えた方が良いのではとも思います。そう言う意味では“エブエブ”は、新しい挑戦と言えるでしょう。やりたい放題の世界感はまさに、マルチバースそのものでした。要望ですが“シャザム”まだまだ伸びしろのあるキャラだと思うので、コスチユームを含めもう少し洗練させることは可能でしょうか?スパイダーマンがそうであったように進化させるのは悪くありません。代が変わる度にどんどんスタイリッシュに変貌するスパイダーマンはホントカッコイイと思います。中身は子どもですが??? 今回ヴィラン役で神(アトラス)の娘(長女ヘスペラ)として、ヘレン・ミレンという超大物女優を迎え、壮絶なバトルシーンを惜しげも無く展開し、エンタメ作品としては充分楽しめる作品になっています。ヘレンはコメントで「若いスタッフについて行くのは大変だったが、とても楽しく役をやれた」と述べています。流石です。三女アンテア役でレイチェル・ゼグラーが出演していますが、“ウェストサイド・ストーリー”以来でしたが、期待に違わぬ演技で魅力を存分に発揮していました。次回作が“ハンガー・ゲーム”と聞き、期待に胸を膨らますわたしです。 P.S. “ハンガー・ゲーム”のジェニファー・ローレンスのファンですが、レイチェル・ゼグラーの新作も今から楽しみです。カットニス役なのか?それとも別人?? #
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| 2023-03-24 00:00
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![]() ![]() 2023.3.14. 通称「エブエブ」と呼ばれている作品“エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワン”を息子を連れだって鑑賞。爺なので最近使われる言葉を省略する言い方は好きじゃないのですが、今回は◯。勝手な考えですが、最近の映画タイトルは昔と違い現代をそのまま使う英語表記が増え覚えるが大変。鑑賞後に買うプログラムを注文する際、良いづらくて困っています。映画ファンのちょっとした悩みですので、聞き流してください。 さて今作“エブエブ”(略で活かせてもらいます)ですが、公開前の予告を見る限り触発を受ける作品ではなかったのですが、アカデミー賞6部門を獲得したと聞き、いったいどんな作品なのかと急に思い立ち劇場へと足を運んだ。CG技術を駆使した作品と聞き、息子と行くことに・・・。いまCGの勉強をしている息子(そら)の刺激になればというのと、若い人の意見を聞きたいとの思いが重なりこう言う状況に至った。どうでもいい話なのですが??? さて、感想です。コンセプトはしっかりと構築されているので表現しようとしていることは、ちゃんと伝わる作品です。ですが正直言いますが70歳になる人間にはついていくのが大変。頭の中がぐちゃぐちゃになり、堪能出来たかと言えば疲労感のほうが勝ってしまいました。歳を重ね感性が追いつかなくなっているのかとちょっとショックを受けています。物語をひと言でまとめると「親子再生物語」といった内容です。マルチバースという世界をこう言う表現に置き換えた監督たちの凄さは、凄いと素直に認めますが表現があまりのもぶっ飛んでいて思考能力がショート寸前。鑑賞後、息子に感想を聞くと、すんなり面白かったといい、伝えたいことは明確で「日常に流されることへの不安」をぃ言いたいのでは・・・。とサラっと言い放ったのにはちょっとビックリ!!なんだか1本獲られたようで言葉を失ったのと同時に、ちょっと見直したわたし。確かに的を射た意見である。「誰もが持っている悩みを違った角度で表現していて、答えは気づかないだけで自分自身の中にあるんじゃねえ」なんて言い放ちました。生意気だと思いいつつもちょっと関心。「こいつ本当に解っているのかよ!」とこころの中で呟くわたし。こう言うコミュニケーションのツールとして使うのも、悪くありません。また、違った見方や感覚が情報として入りここだけの話勉強になります。息子には言えませんが・・・。 とにかく奇想天外、荒唐無稽のハチャメチャな作品です。結構エネルギーが必要ですので体調を整えお出かけください。逆に理屈などどうでもいいと開き直って、喜楽に楽しめば良いかとおもいます。へんにアカデミー賞を獲ったなどという、先入観で観たわたしの失敗かも知れません。 ただ、はっきり言えることは俳優さんたちの凄い演技です。主女優賞獲得したミシェル・ヨーさん(エヴリン役)の八面六臂の活躍と演技力は、さすが主演女優賞。また、旦那さん役のキー・ホイ・クァンさんも良い味を出しています。この人の名を聞き、パッと頭に映画が浮かぶ人は、相当の映画ファンか変人です。子役で名を世界中に知らしめた人は、かのアクション映画の名作“インディー・ジョーンズ/魔宮の伝説”や“グーニーズ”出ていた名子役。眼だけが面影を感じますが、そこらで出会っても誰だか解りません。出会うこともないのですが(^0^)。何十年ぶりの映画復帰でいきなり助演男優賞なんて凄いことです。これからの活躍が楽しみです。また脇に国税局の監査官役でジェイミー・リー・カーティスが出ていて、見事としか言いようのない存在感を伸び伸び演じています。大ベテランですが、楽しんでやれたとコメントで語っていました。役者さんって、本当に凄いと実感する作品でもありました。凄いメイクアップで全然解りませんでしたが、映画ファンはみな知っている、父親がトニー・カーティス、母親がジャネット・リーというレジェンドの名優の血をひく俳優さん。彼女も沢山賞に輝く強者ですが、今回も見事です。こんなことで年寄りはまた、違った楽しみ方ができる作品でもあります。そんな見方で観るのもお勧めです。 P.S. ここ数年アカデミー賞に選出される作品が、随分と多種多様の表現が拡がりなかなか的を射ることが困難になりました。それだけ面白くなったと捉えるべきでしょうか???みなさんの意見も聞きたいものです。 #
by eddy-web
| 2023-03-19 00:00
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![]() ![]() 2023.3.13. 危うく見過ごすところだった映画、“イニシェリン島の精霊”。公開前から注目していた作品だが、近い劇場が思ったよりはやく終わってしまい慌てて劇場を探し駆け込み鑑賞。教え子の勧めが背中を後押ししての滑り込みである。今年度のアカデミー賞にノミネートされていたのは知らず、鑑賞後なるほど・・・と納得。舞台となる島の美しい風景が巧みな映像表現で紡がれ、まるで写真集のページを捲るようにこころに深く染み込んでくる。そこで暮らす人々たちがさぞや心豊かに表現されているのかと思いきや、想像を超える感情を押し殺した美しさにはほど遠い内面が浮かびあがる作品に度肝を抜かれる。芸術性の高い表現力はもちろん凄いのだが、それを逆手にとっての脚本と演出のきめ細やかさにまんまと塡まってしまう。創造性に富んだ作品だが、きっと好みが真っ二つに分かれるそんな作品ではないでしょうか?ひとことで表現するなら、大人向けの寓話である。教え子はわたし好みの作品ですよっ!と言って勧めてくれたのだが???何とも答えられないのが素直な感想である。このブログを書くのに、しばらく間を空けたわたし。頭と言うよりはこころの整理が追い着かず、混沌とした自分と向き合う時間が必要になり今日に至った。久しぶりのインパクトで、しばらく後をひきそうである。評論家の評価はメチャクチャ高いと知ったのですが、総合的にみれば頷ける。 さて物語だが1923年、アイルランドの孤島を舞台に巻き起こる、摩訶不思議な二人の男たちのお話。監督は前作“スリー・ビルボード”から5年が立つ鬼才マーティン・マクドナー。本作を見終わると前作の血は更に進化し、感性がさらに激しく磨かれ開花している事が伝わって来ます。前作でも感じた訳の解らない不条理な世界が浮かび上がり、頭の中を駆け巡る感覚は答えを探すのに必死にもがきます。一番恐いのは、自分の中にも主人公と同じ感情がこころの片隅に隠れているという実感。この作品は観た人たちと多いに、語り合いどんな受け止め方をするのかを聞きたい映画のひとつになりました。 わたし独自の見解ですが、限られたスペース(島)に閉じ込められると、そこがどんなに居心地が良くてもこころが壊れていくということ。前作“スリー・ビルボード”はある意味、プロローグ的な作品にも思えてきました。この監督の底知れない想像力は、この先どんなものを見せてくれるのかと完全に蜘蛛の巣に掛ってしまっています。 主人公は島で長く友情を育んできた二人の男。気の良い男パドリック(コリン・ファレル)と初老の男コルム(ブレンダン・グリーソン)の突然の絶縁宣言からはじまる。はじめのうちは観ている側も冗談だろうと思い一笑に伏しているのだが・・・。みるみるうちに怪しい展開へと紡がれていく。スクリーンを観ているこっち側の人間までも、「なんで?なんで??」とだんだん笑えなくなる。あっという間に画面に引きずりこまれ、最後までカオスの中で捜し物を見つけようと藻掻き苦しむ。シュールで重たい作品だが、生涯記憶に残る作品になってしまいました。作品中で交されるふたりの会話でコルムが放つ「お前みたいなつまんない奴とは関わりたくない」と言い、そして「安らぎがほしい」と呟く。この台詞の深さが、ジワジワと沁みてきて自分を顧みてしまいます。どちら側の立場でも、重たくのしかかる問題ではないでしょうか?「生きる意味とは?」を問う、閉塞感に満ちた人間の中に潜む、割り切れない感情が複雑に絡み合う、人間ドラマをあなたはどう捕らえますか? P.S. コリン・ファレルという俳優さんに対する見方(評価)が、正直変わった作品です。やっぱ監督さんの力って大きいのですね・・・。そしてブレンダン・グリーソンは凄いです。もうひとり記憶に強く残ったのが、風変わりな青年役を演じたバリー・コーガン。個性的な風貌は“ダンケルク”“エターナルズ”でも観ていて、きっとそのうち頭角を現してくるに違いないと思っていましたが素晴らしい演技でこころに残りました。 封鎖社会をテーマに表現された作品は数多くあるのですが、何故か50年も前に観た、デビット・リーン監督の“ライアンの娘”を思い出したわたしです。機会があったら観てください。テイストは違いますが、わたしの中では同じ感性を感じます。最後にもうひとこと。登場する犬、ロバ、馬などの動物たちが、凄い演技をしているので驚かされます。アカデミー賞の動物部門を創って欲しいくらいの名演技です。 #
by eddy-web
| 2023-03-16 00:00
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![]() ![]() 2023.3.05. 大好きなチャンバラ映画“るろうに剣心”の大友啓史監督がメガホンをとり、キムタクと組んで創り上げた“レジェンド&バタフライ”を、遅ればせながら鑑賞。公開から随分と日が経っての鑑賞だが、大分後回しとなってしまった。今日はわたしの誕生日で、稽古もたまたまお休み。と言う訳で劇場に足を運んだ。 予告編が流れていた頭書から、かなり話題にはなっていた作品。大友監督の作品となれば、アクションシーン満載の作品か?と思いきや良い意味で期待を外されました。主演に木村拓哉と綾瀬はるかを起用しての作品と言う意味でも、豪華絢爛なものと想像していた。見終わってその重厚な時代絵巻とあらたな想像性を追求しているストーリーに、いままで知っている織田信長像にはない魅力を多いに感じる作品になり感動したわたし。映画でもTVでも幾度となく主人公として描かれて来た戦国武将の織田信長。天下統一をはじめに成し遂げた武将は、常に魅力的に表現されて来た人物。子供の頃の印象は単純に血気盛んな怖い物知らずで勇猛果敢のイメージが強く、ただただカッコイイ武将だった。それから時が過ぎ、さまざまな映画やドラマでの表現が少しずつ変わっていき、「泣かぬなら殺してしまえホトトギス」と言う言葉で象徴される意味が少し解るようになった。歴史に残る文献を紐解くと、かなり狂気をはらんだ性格が見え隠れする人物にどんどん印象が変わっていった。波瀾万丈な人生なのはひとつの魅力ではあるが、ひととしてどうなの?という点はどうしても引っかかる部分である。いずれにしても、歴史に名を残した人物は興味が尽きない…。 さて、今作の“レジェンド&バタフライ”。やや早足状態で歴史を追っていき、前半は派手な演出もそんなに無く信長の「天下布武」の理想に向けての足跡を辿っていく。いままでも多くの作品で知っているので、各大名を打ち倒していく場面をことさら描く必要がないと判断しての表現とも受け取れた。そういうことで、はじめはちょっと物足りなさを感じたのが正直なところ。木村拓哉もいつものキムタクとしてしか感じられず、やや期待はずれかと感じてしまった。ところが中盤からはどんどんと顔ちきが変わっていき、まさに信長の中にある得体の知れない魔物が少しずつ姿を表していく様は見応え充分。若かりし信長が「尾張の大うつけ」と呼ばれ奇行に走っていた人物像は、天下統一を目指した戦いに勝利を繰り返す度に成り上がり、狂気化していく人物像が浮かび上がる。かなり踏み込んだ人物設定には、いままでに感じたことのない興味が湧き新たな側面が表現されとてもそそられたわたし。とくに印象深かった場面は徳川家康をもてなす安土城での話。家康、光秀、信長のきめ細やかなこころの表現は息を呑むほどの演出で、新解釈となる創造豊かな表現でした。創造力を掻立てられる演出は数々あり、今までにない織田信長の魅力が描かれたとても良い作品でした。いずれにしても謎の多い人物ではあるので、まだまだ創造の余地有り。歴史オタクにはたまらない人物であることは間違いありません。その切り口を創ってくれた大友監督の力は存分にでていたと思います。安土城を再現したCGの使い方も良い感じに仕上がっていたし、舞台美術や衣装、そして「静と動」を使い分ける音楽の入れ方などエンタメとしてはもちろん、芸術性にすぐれた素晴らしい作品だと思います。いつかまた違う監督が信長をモチーフに映画を撮ることがあると信じ、再びこの作品は甦りひとつの基準となるような気がします。 さて、俳優さんたちの話を少ししましょう。信長役の木村拓哉さんはカッコイイだけの俳優さんではないことが、今作でしっかりと印象に残りました。前半の若かりし「うつけもの」から、中盤の「鬼/悪魔」、そして「神仏」と変貌する変化は見事としか言いようがありません。狂気を孕みながらも苦悩する人間、信長が痛々しいほどに演じられ素晴らし演技でした。また、農姫(胡蝶)を演じた綾瀬はるかさんも、キムタクをも凌駕するほどの存在感で、こちらも言うこと無しの出来映えでした。強さと健気さを合わせ持つ哀しくも切ない生涯を表現し、感動を誘います。相変わらずの美しさは言うまでもありません。脇を固めた俳優さんたちもいままで観たことのない怪演ぶりで、作品に深みを増すアクターぶり見せています。明智光秀役の宮沢氷魚(ひおと読む)さんは、「ちむどんどん」のイメージは完全に消え、新たな世界へ一歩足を踏みだしました。いちばん驚かされたのは家康役の斎藤工さん。イケメンでCMなどでも毎日観る顔ですが、劇中まったく気がつきませんでした。本当にビックリです。ラストのエンドロールに名前が浮かび上がり「思わず。ウッソ~~~1」とこころで叫んでいました。メイクさんの勝利とも言えますが、演技もタヌキと呼ばれる人物像を見事表現しています。俳優さんて怖いなァ~~、ホント!!化けるとは、よく言ったものです。 今からでも遅くありませんので、観ていないひとは、即劇場に!! #
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| 2023-03-08 00:00
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![]() ![]() 2023.2.24. 今日ご紹介する作品は、邦画の“湯道”です。無類の映画好き、そして同じく銭湯好きのわたし。映画は週一、銭湯は週二で通っている。趣味は多いがこのふたつはわたしには、自分を取り戻す大切な時間。今日紹介する映画は、このふたつを合わせた、わたしには絶対に観なくてはいけない作品、“湯道”。 公開前からチェックを入れ、公開と同時に鑑賞。銭湯好きにはたまらない作品になっています。映画としても充分楽しめますが、お風呂大好き人間たちには笑いあり、涙あり、そして勉強にもなると、お金を出しても充分おつりがくる。ちなみに映画鑑賞料金は一般1,900円(シニア1,000円)、銭湯入浴料は大人500円である。昨年両方が値上がりしこの価格になったばかり。庶民の憩いにもお金が掛る現実が前に立ちはだかっています。それでも止められないのがこのふたつ。けっして贅沢ではないと思うのですが・・・。 さて、映画“湯道”ですが、そのタイトル「湯道」とは・・・。日本古来より伝承される華道や茶道のような芸道として継承されているという設定で、入浴の作法を極めたものが「湯道」とされている。今作品の企画・脚本を手掛けた小山薫堂が、自ら提唱し実践するかたわら放送作家、脚本家、ラジオパーソナリティと多岐にわたる才能の持ち、趣味と仕事が合体した生活をしている人とのこと。羨ましいかぎりだが、映画を観るとうなずけるオタク感覚である。物語は亡き父親が残した古びた銭湯「まるきん温泉」をめぐる、兄弟の葛藤と周りに集まる常連客との悲喜交々の交流が描かれている。主人公のふたりを生田斗真(長男)と濱田岳(次男)が演じ、銭湯の経営に纏わる兄弟喧嘩が発端になり物語りははじまる。そして「まるきん温泉」で看板娘として働く橋本環奈がからんでの人情味あふれるお話が展開する。ゲスト陣がハンパなく豪華で、役者として出ているというよりもみな銭湯が大好きに違いないと思わせてくれる。それぞれが個性を生かし、銭湯の伝承に一役をかっています。天童よしみとクリス・ハートの親子愛には涙してしまいました。それにしても舞台となる銭湯のセットが実に昭和レトロ感が漂い、拘りの美術が雰囲気を盛り上げたまりません。似た風情の銭湯は東京にも数件ありますが、きっと参考にしていると考えられます。こんな銭湯があったら毎日でも通うであろう、素敵なお風呂屋さんです。銭湯好きの人は観るべし!映画好きの人は、この作品を観て銭湯に行きましょう!! P.S. 看板娘・秋山いづみを演じた橋本環奈さんの売れっ子ぶりは、CMの多さが物語っていますが、昨年末のNHK「紅白歌合戦」の見事な司会ぶりには恐れ入りました。いままで多くの人がその重圧にあたふたしている様を目にしてきましたが、彼女の堂々としたそしてはつらつとした司会振りは完全に彼女のひとり舞台でした。若いのに凄いと感じざるをえません。計り知れない才能を感じた一幕は、これからどんな花を咲かせることやら楽しみです。 #
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| 2023-03-06 00:00
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