2017.3.25
小学生の頃観た怪獣映画は、いまもわたしの大切な宝物。ゴジラを中心に多くの怪獣たちが、子どもたちのこころをゆさぶり、今もなお息づいています。ゴジラが日本の代表なら、キングコングはアメリカの代表。何度も映画化され、その度に感動をし人間たちの身勝手さに本気で怒りを覚えたものです。アメリカのコング映画と言えば、美女を手にエンパイヤステートビルに上り、最後は落下し息絶えるのが定番。今作はいままでのコング映画とは異なり、むしろ日本が創った怪獣映画をハリウッドバージョンにしたような作品になっています。着ぐるみを着て創られた日本の怪獣映画も、ここまでバージョンアップ(I-MAX3D)されるとは誰が想像したでしょうか?流石といえばそれまでですが、ゴジラがハリウッドで制作されてからというもの、日本の映画文化が確実にハリウッドの注目を集めているのは間違いありません。怪獣映画は日本の専売特許、わたしとしては日本にもっと頑張ってもらいたい気持ち・・・。
そう言う意味では庵野さんの“シンゴジラ”は、素晴らしい作品でした。映像技術で対抗しても勝ち目はありませんから、やはりオリジナリティを追求しもう一度怪獣映画を復活させてくれることを希望します。頑張れニッポン!!
さて本題の“キングコング・髑髏島の巨神”、単純に面白く怪獣映画の原点を見せられた感じがします。理屈ぬきで怪獣映画ファンは楽しめそして、コンセプトである人間の愚かさをしっかり伝えていて昔覚えた感覚が蘇りました。戦争(第2次世界大戦/ベトナム戦争)を背景にした演出もうまく、当時の音楽が見事に使われ時間を飛び越え空想の世界へと誘います。愚かな人間たちの犯した罪を、許すコングの度量の大きさに感謝です。人間たちよ、反省しなさい!!
次へと繋がるラストは、すでに情報が流れていましたのでさほど驚きませんでした。それより早く見せてください。待っております。
元SASの隊員コンラッド大尉を演じたトム・ヒドルストンは、戦争を通し失った自身の喪失感をクールに演じ存在感を出していました。マイティ・ソーの悪役ロキとはひと味違う、良い味を出しています。また、兵士を束ねるパッカードを演じたサミュエル・L・ジャクソンも、軍人の性を強烈に印象ずけ愚かな人間を象徴的に演じ見事でした。この人はいつでもインパクトがある演技をします。コングと並ぶ主演といえる存在です。