よもやまシネマ354 “スイス・アーミー・マン”
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2017.10.18

予告を観て、好奇心がくすぐられた作品“スイス・アーミー・マン”を観に銀座へ。予想を遙かに超えた奇想天外な物語に不思議な感覚を味わった。今までに見たことの無い世界観は、説明が不可能で感想さえ思いつかない。そもそも“スイス・アーミー・マン”ってタイトルすら怪しいではないか・・・。全然意味が解らない。ひとは解らないものに引かれる、そしてそれを確かめる。そんな映画鑑賞があっても良いでは無いでしょうか?
この作品、世界で数々の賞に輝き話題になったようである。ファンタスティック映画祭で観客賞になったのもそのひとつ。観客から評価されたというのは、評論家からの評価よりむしろ作り手にすれば嬉しいに違いない。メガホンをとったのは、今作品が初監督となるダニエルズ(ダニエル・シャイナート、ダニエル・クワン)というユニット。ミュージック・ビデオのディレクターを経ての監督第一作。
観てまず想ったのがこの発想力はいったいどっから生まれたのだろう、とまず驚かされる。常人には思いもつかない発想は、それこそファンタスティック。大人の夢物語とでも言うのか、とにかく今まで触れたことのない感覚がず~っと残る作品である。
登場人物はほぼ3人。ひとりは遭難した青年ハンク、そして流れ着いた死体メニー。もうひとりは青年が思いを寄せる女性サラ。ハンクをポール・ダノ(プリズナ―ズ)、サラをメアリー・エリザベス・ウィンステッド(10クローバーフィールド・レーン)が演じている。そして主役の死体メニー役をなんとダニエル・ラドクリフ(ハリー・ポッター)が・・・。死体役が主役ということ自体がもう訳が解りません。でも、見終わると何か爽やかな風がこころに凪がれる。これは見てもらわないと説明出来ません。ひとによって受け止め方は違うと想いますが、わたしの胸には間違いなく届いた一球です。細かい話はするのを止めましょう。この夢は自分で確かめないとつまらないと想うので・・・。それにしてもラドクリフの演技が凄すぎて吃驚。あのポッターがまさか???と想うはず。ラドクリフはポッター以降、イメージを壊すため挑戦的な役を好んで演じていることは知っていました。凄いことだと思うのと同時に、役者としての覚悟みたいなものを感じます。今回この作品を観てそのアイデンティティを確信しました。そしてますます好きになりました。
不思議な出会いから始まるサバイバル・アドベンチャーは、奇妙奇天烈で笑いを誘う。また2人の会話はきわどいセリフのオンパレード(ちょっと前ならピーと音が入る)、そしてリアルな身体の動きは映倫のチェック間違いなし。でも何故かこれはいやらしさを感じさせない。乗りのいい音楽が合いまって、知らず知らずその不思議な世界へと足を踏み入れてしまう。気がつけば2人の関係の深さに涙してしまう。映像もとても綺麗で、センスのいい演出が盛りだくさん。これが1作目なら次はどんな作品をみせてくれるのだろう?いまから待ち遠しい自分である。
P.S. “スイス・アーミー・◯◯◯”っていう万能グッツに気がついたのは、映画を見終わってから・・・。なるほど・・・、そいいう意味だったのですね。ラスト泣かせてくれます。
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# by eddy-web | 2017-10-21 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ353 “猿の惑星:聖戦記”
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2017.10.16

今から49年前、第一作目の“猿の惑星”が公開された。わたしが18歳の頃。進学か就職かで悩んでいた頃、気晴らしに観に行ったその作品は衝撃的なラストシーンで、頭の中が一瞬真っ白になったことを思い出す。それ以降毎年のように続編が創られ、SF映画の代表作となった。旧作のシリーズは全部で5作。総てが評価されたわけでは無く、むしろ酷評されたものの方が多い。だが、興行的にはみなヒットし配給会社にとってはまさに「打ち出の小槌」。皮肉な結果である。すべてのはじまりは先ほど言った第1作のラストにある。あまりのインパクトに、SFを超えた未来の現実をみせられひとは驚愕し考えさせられてしまった。そして“猿の惑星”は金字塔になった。
映像技術が急激な発展をとげ、コンピュータグラフィックスによる作品づくりは当たり前。SFはもちろんアクションがからむ作品のほとんどが、CGで創られている。いまや飽和状態でたいていのことでは驚かなくなってしまった。でも、昔を知る人間には恐ろしいほどの進化で、いったいこれからどこまで・・・と想ってしまう。
ただ言えることは、間違いなくそれだけではひとのこころは動かされないということ。現に、第1作がいまだに高い評価を得るのは、しっかりとこころに残るテーマ(コンセプト)があったからである。今回の作品を観る前に、あらためて観たがテーラー(チャールトン・ヘストン)の慟哭が聞こえその姿にカメラがよるとそこには・・・。ほんとうにクオリティが高くまさに名作である。
前置きが長くなりました。新作シリーズの今作は、最後の聖戦と銘打たれ公開されました。旧作をリスペクトしながら、新しい解釈を付け加えオリジナリティをだしている。どうしても旧作と比較されたりイメージを重ねてしまいがちだが、ここは全然別物ととらえて観るべきだろう。映像技術だけ観たらとても比較にはならない。いまのひとが旧作を観たら、まるで紙芝居でも見せられている感じだろう。日々進化しているCGの表現力は、今回もさらにパワーアップし凄いのひとこと。一番はなんと言っても猿たちの動きや表情のリアルさ。モーション・キャプチャーという最新技術を使ったそのリアルな表現は、嘘くささが微塵も感じられない。本当に現実に存在し、わたしたちの世界で生きているとさえ思えてしまう。本当に凄いです。あまり技術のことは詳しくないので、興味のある方は調べてみるのもいいのでは・・・。内容も旧作のにおいを残しつつ、いい案配に構成されクオリティの高さを保っています。新シリーズでは一番いい出来ではないでしょうか?猿と人間との戦いの中で生まれる、新たな関わりも「絶望から希望へ」と締めくくっていて良かったです。まだ、続きがありそうなところもちょっと嬉しいです。いま、世界が抱える争いの連鎖(戦争)に、一石を投じるテーマがこの作品には描かれていると想います。
P.S. シーザーを演じたアンディ・サーキスをはじめ、お猿さん演じた俳優さんたちの目の芝居は感動です。何度も涙を流してしまいました。これこそ名(目)演技と言うのでは・・・。
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# by eddy-web | 2017-10-20 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ352 “アウトレイジ最終章”
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2017.10.10

“アウトレイジ最終章”を鑑賞。平日にも関わらず、観客の数が多い。北野監督の人気を伺わせる瞬間である。さて、このシリーズも最終章。バイオレンス満載の映画は、R15指定のかなりエグイ表現でわたしたちを色んな意味楽しませてくれた。やくざの世界をとことん追求し全編に汚い言葉が乱舞する。そして拘りにとんだ殺しのシーンをこれまた際どい演出で表現してみせるのが北野流。最終章を迎え、どんな北野ワールドで締めくくってくれるのだろう?何を隠そう実は、この手のバイオレンスよりヒューマン(菊次郎の夏)を扱った北野作品が好きなわたし。同じ人間の中からこんなにも違ったものが生まれるのかと、いまだにその感性に振り回される。創造力豊かな優しい絵画を描くかと思いきや、想いっきり悪ふざけをし世間を騒がせる。天真爛漫な悪ガキがそのまま大人になったような人。ある意味とても羨ましい才能の持ち主である。
率直な感想を言いますが、「全員悪人」のキャッチコピーそのままの下克上を題材にした、新しいヤクザ映画第一作から7年。今回の作品はシリーズ中一番ソフト?いままでが凄すぎたのか温和しめで、殺しのシーンひとつとってもやや凄みにかける。アウトレイジ一作目、椎名桔平の殺され方はあまりにエグくインパクトの強さが際立ち忘れられない。今回ピエール瀧や大杉漣を殺害するところなどセンスの良さは感じるが、むしろ笑いを誘うような演出になっている。これは狙ったものなのだろうか?ラストも至ってスマートであっけない。構成や映像が美的表現に偏り、ハチャメチャな最後を期待していたわたしはやや拍子抜け・・・。北野監督の毒を食らいたかったのですが、優等生的な終わり方にすこし欲求不満が残ってしまいました。あくまでも個人的意見です。次回作では、どんなスタイルでもかまわないので、ぜひ予想不可能な北野ワールドを見せていただきたい!世界の北野は、こんなもんではありません。
P.S. 出演している俳優さんたちはみな凄みをきかせ、どっから観てもホンマモン(悪党面)。でも、「バカヤロー!!」ばかりでは・・・。逆に金田時男さん演じる国際的フィクサーの親玉・張(チャン)の物静かな立ち居振る舞いに、大物の風格と凄みを感じました。西野(花菱会若頭)を演じた西田敏行さん、この前観た“ナミヤ雑貨店の奇蹟”はいったい何だったのでしょうか?尊敬致します。北野監督は俳優さんたちにいちいち注文をつけずいきなり本番に入るらしく、俳優さんたちはその演出について行くのがメチャ大変らしいです。監督の意図がきっとそこにあるのだろうと思います。それに応える俳優さんたちは流石です。


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# by eddy-web | 2017-10-11 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
ラビュー銭湯!北千住駅前の「梅の湯」は、下町風情が残るあったか~いっお風呂でした。
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 風呂好きのわたしの季節がやって来ました。コオロギ?の声が聞こえはじめ、すっかり風も秋色。こんな日は銭湯の大きな湯船に浸かり、手足を思いっきり伸ばす。たまりません!
 銭湯協会がまたまた「ゆっポくん」のスタンプラリーをはじめました。今回は特製のトートバッグが貰えます。わたしはいつになく、張り切って銭湯通いをしています。
 先日用事で北千住に行き、帰りに駅前の「梅の湯」さんで湯を頂戴いたしました。昔ながらの風情を残すたたずまいは、これぞ銭湯という感じで嬉しくなりました。銭湯は年々その数を減らし、残っているとこも妙にモダン。わたしはやっぱり、煙突と富士山の絵に引かれます。頑張れ!銭湯!!
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# by eddy-web | 2017-10-06 00:00 | 風来紀行(散歩旅) | Comments(0)
夏の終わりを告げるウォーターポピーの黄色い花と、水玉模様の訪問者。
e0120614_18565091.jpg 昨日は「中秋の名月」。秋が深まって参りました。日本に生まれて良かったと思うのは、こうして季節の変わり目に立ち会うことが出来ること。普段時間に流され空などめったに見ることのないひとも、「中秋の名月」と聞けば思わず空を見上げる。今夜のお酒はきっと美味しいこと間違いなし。
 日差しが柔らかな日中、ベランダにあるビオトープに目をやると緑もやや秋色に色付きはじめています。その中で、まるで夏の終わりを告げるかのようにウォーターポピーの黄色い花が凛として咲いている。夏を名残惜しむかのように・・・。そこへてんとう虫が一匹。この子もきっと夏の終わりを感じているのでしょう。時間がちょっとだけ止まった瞬間です。
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# by eddy-web | 2017-10-05 00:00 | ひとこと・ひとごと・ひとりごと | Comments(0)
よもやまシネマ351 “ナミヤ雑貨店の奇蹟”
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2017.10.02

作家・東野圭吾史上最も泣ける作品とちまたで言われている“ナミヤ雑貨店の奇蹟”が実写化されました。監督は“ヴァイブレータ”で国内外の賞を総なめにした廣木隆一氏。そして、この作品テーマに共感し楽曲を書き下ろした山下達郎さんの「REBORN」が作品の感動をさらに印象深くする演出で涙を誘う。物語は時空を超えたヒューマンファンタジーで、わたしのツボを射抜いてしまいました。「こんな話ある訳ないだろう?」と思うか、いやいや「奇蹟ってあるよ!」と思うか、はたまた「ないとは思うけど信じたい!!」と思いたいなど・・・ぜんぶまとめて取りあえず観て見ませんか?それからいろいろ考えましょう。とわたしは強くお薦めします。主人公のひとり敦也(山田涼介)が、はじめそうだったように・・・。
最近観たTVドラマ「ツバキ文具店」と同じ匂いがする感覚は、手紙を通して伝える人と人との繋がりを見事に創り上げ、偶然と必然の不思議な余韻を表現しています。大分前に観た映画「黄泉がえり」にも近いものを感じました。特に主題曲の使い方はまさにいっしょ!「黄泉がえり」では、柴咲コウが主題歌を歌うシーンが実に感動的でしたが、今回“ナミヤ雑貨店の奇蹟”では門脇麦(セリ)が歌うシーンが胸を打ちます。大人向けのファンタジーにはめっぽう弱いわたしは、涙涙で人目もはばからずグスグスです。きっとさめた意見で“嘘くさい”などと言ったコメントもネットに上がるのだろうと思いますが、わたしはだれがなんと言おうと大好きです。「信じるものは救われる」いや、救われなくてもそれで構いません。
今回の作品は特に主人公を特定せず、出て来る人たちの目には見えない糸に繋がれた物語が時空を超え進みます。きっかけはナミヤ雑貨店のオヤジがはじめた、万相談の手紙のやりとり。ネット社会全盛のいま、こんなアナログな方法でと思う人も多いはず・・・。面倒くさいと思うひとも・・・。ただ違うところがあるとするなら、そんな簡単にこころの内をひとには見せられないというところ。一言一言ことばを噛み締め綴った文章には、そのひとの想いが凝縮しています。ひとの悩みに答えるという作業は、そんなに簡単ではありません。物語の中でも語っていましたが、返事のことばひとつでそのひとの人生さえ変えてしまう。そこには相手を思いやる深い愛情がなければなりません。友だちでも大変なのに、まったく面識のないひとのことを想いながら考えるなんてまず出来るものではありません。この物語に出て来る登場人物はみなそれぞれに傷を背負っています。だからこそ、相手の傷みに寄り添い一生懸命に生きることを実践しています。簡単ではありませんが、こんな生き方素敵ですね!
P.S. ナミヤ雑貨店のお店の雰囲気が、とても懐かしく昔を思い出させてくれました。この物語よりも古い時代を生きたわたしですが、小学校の前に同じようなお店がありました。万相談はしていませんでしたが、おばちゃんの笑顔がいつも素敵でそれだけで一日が元気に過ごせたように思います。遠い遠いそのむかしの記憶です。
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# by eddy-web | 2017-10-03 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ350 “午前十時の映画祭・泥の河”

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日本映画の中で、最も好きな作品と言ってもいい”泥の河“を観た。独自の作家性を持つ小栗康平監督のデビュー作となる名作である。はじめて作品を観たときの、こころのヒダに染み込む感動はいまも変わらない。沢山の映画(日本)を観てきたが、一番好きな作品をあげるとなれば絶対にこの作品。良い作品とかではなく、好きな作品というところがわたしの思いである。そんな作品はそう多くは無い。内容はもちろん、映像表現や音楽、役者さんたちの演技、そして五感にうったいかけてくるこころの動き。すべての場面がこころに染みる作品です。1981年(昭和56年)公開時、モノクロ映像の中に写し出された懐かしい感覚がいまも忘れられない。物語の設定は昭和31年の大阪が舞台。運河の近くで食堂を営む両親と、細やかだが幸せに暮らす家族のひとり息子・信雄のひと夏の体験を叙情豊かに表現している。小栗監督のデビュー作とは思えない細やかな表現力は、ナイーブな感覚を写し出し観客の胸に迫る感動を与えてくれる。時代背景もあるかと思うが、極力説明的表現を押さえ、観る側に感情を読み取らせる映像表現に重点を置いている。言葉では表わせないひとの想いを、きめ細やかに紡いでみせる。子どもから大人へと一歩づつ変わって行く様の、辛くて寂しい一瞬が胸を締め付け儚い。見終わった後に、これほど余韻が残る作品はそうそうない。昭和31年といえば、わたしは3歳。東京の下町で生まれた自分も、似たような環境で育った記憶がある。そんなところもきっとこの作品に強く引かれる要因かも知れない。主人公の子どもたち信雄・喜一・銀子(喜一の姉)が、素晴らしいです。オーディションで300人の中から選ばれた子役たち。感性豊かな表情が画面から溢れ、涙を誘います。撮影時監督自ら、アパートで半月あまり3人と共に生活をしたそうです。卵かけごはんを食べ、銭湯に通い、布団を並べて寝る。当時の貧しい暮らしを共に体感するための環境づくりをしたそうです。映画を観れば、拘りのリアリティは間違いなく伝わってきます。今亡き田村高廣さん演じる父(信雄)や、母役の藤田弓子さん、貧しくとも健気に生きる姿は子どもたちと重なり、人と人の繋がりの大切さが伝わる印象深い演技でした。あとはなんと言っても喜一の母(笙子)を演じた加賀まりこさんの、ドキッとする艶めかしい美しさに尽きます。物語の中枢を担う重要な役を演じ、生きること、生きて行くことの哀しい性を見事に魅せてくれました。この作品は間違いなく彼女の代表作になりました。勝気なイメージの強い女優さんですが、とても綺麗で男っぽいひと。年を重ねても綺麗で大好きな女優さんです。
ひと夏の出会いと別れに凝縮された、子どもたちの小さな胸の中にある優しさ健気さに大切なものを思い出させてくれる秀作です。絶対に観てほしい作品のひとつです。
P.S. 小栗監督はまだ6本しか作品を撮っておりません。でもそのすべてが映画史に残るような作品ばかり・・・。”禁じられた遊び”のラストシーン「ミッシェル!ミッシェル!!」と同じくらい、"泥の河”「きっちゃ~ん!きっちゃ~ん!!」の叫ぶ声が耳から離れません。いまもそうですが、ラストシーンのこのセリフを聞いただけで涙が溢れてしまうわたしです。
♥OMAKE/この作品が好き過ぎて、本の装丁を創ってしまいました。本編に出て来る魚影(黒)に、喜一の母笙子を重ねてみました。いかがでしょうか?

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# by eddy-web | 2017-09-28 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ349 “スクランブル”
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2017.9.22

カーマニアにはたまらない映画が創られました。作品は”スクランブル“。カーアクションをメインにした、クライム・エンターテーメント作品である。最後まで終わりが予測不可能とされる構成は、アクション同様ドキドキさせられる。いままでも多くのカーアクション作品は創られ代表されるのが”ワイルドスピード”シリーズ。他にも“トランスポーター””トリプルX“など人気を誇る作品が多いのは、派手なカーアクションと登場人物たちの格好良さがなんと言っても魅力の一因。そして出てくるスーパーカーを映画制作のためとはいえ、いとも簡単に破壊するその潔さ。「あ~ぁ!これで何千万円が???」なんて考えてみてしまうのは、貧乏人の私だけでしょうか?
ところが今回の作品は、そんなもんじゃ無い恐ろしい企画。それこそカーマニアにはたまらないビンテージクラシックカーが勢揃いした、マニアだけで無く観る価値のあるコレクションのオンステージ。世界に2台しか存在しないとされる1937年型ブカッティを筆頭に、でるはでるはの名車の数々。まったくと言っていいくらい知識のないわたしでも、その美しさには一発で魅せられるまさに芸術品たち。時代を超えたその完成度の高さに、溜め息が漏れるばかり・・・。世界中のコレクターから名車借り集め、さらに忠実にレクリエーションされたレプリカを創り、アート作品としても充分楽しめるミュージアムの場となっています。贅沢この上ない作品を創り上げたのは、アントニオ・ネグレ監督。”リーサル・ウェポン“が、代表作のひとつとして知られている。そこに集まった制作スタッフは、先に述べた”ワイルドスピード“などを創ってきたまさに精鋭部隊。そして主人公に名監督クリント・イーストウッドの息子スコットが抜擢され、ビートの効いた音楽と美しいマルセイユの風景をバックにエンターテイメント作品が創られた。ひたすらカッコいいのと、その贅沢な演出に圧倒されます。本編の中で倉庫の中に並んだ名車が現れると主人公たちが溜め息を漏らすのだが、観ている観客も同時に溜め息を漏らしてしまう。まさに一体化してしまうのである。むかし映画館で、作品が終わると同時に拍手が起こったのを覚えている。なにかそんな懐かしい気持ちが蘇りました。マフィアのボス(クレンプ)が保有するフェラーリの真っ赤なボディが並ぶ倉庫は、目に入った瞬間鳥肌が立ちます。その一台1962年型250GTOは美しさと気品を醸し出す一品。オークション史上最高額の39億円を記録しているとのこと。これだけでも映画の凄さが窺えるのだが、その車を使ったアクションシーンってみなさん想像出来ますか?「えっ!ちょっと待ってよ!!」って思わず声を出してしまうような、カーチェイスの連続には違う意味でハラハラドキドキ。芸術品の凄さは解っても、お金の感覚はいまいちピンとこないわたし。1億だ2億だの言われても???である。ただその美しい姿を壊すのだけは止めてと、こころに願いつつラストへ・・・。何度も言いますが映画としても楽しめるのと、お宝品を目の当たりにできることが出来る一度で二度美味しいお得感満載の作品です。この手の作品はきっとこれからも創られるのだろうと予測するわたし。オタク文化が世界中に拡がる現在、求めるひとがいる以上そこを満たす作品作りは映画界の使命ではないでしょうか?個人としては、多いに期待大です。よろしくお願いいたします。
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# by eddy-web | 2017-09-26 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ348 “午前十時の映画祭/トリフォーの思春期”
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2017.9.19

“午前十時の映画祭/トリフォーの思春期”を鑑賞。ヌーヴェルヴァーグを代表する監督のひとりトリフォー。52歳という若さでこの世を去ったが、今もなおその多くの作品は評価が高い。前回“突然炎のごとく”を鑑賞し、監督の映像表現に対する並々ならぬ情熱や独自の拘りを感じる事が出来たわたし。生涯30本の映画を撮ったら引退をと生前語っていたそうだが、残念ながら生涯で製作した作品は25本にとどまった。今回観た“トリフォーの思春期”ははじめてで、トリフォーのとタイトルにつけるくらいだからかなりの自信作ではないでしょうか?1976年の作品ですが、全体では後期のもの。きっと一番撮りたかった作品だったのでは・・・と観賞後ふと思った。作品は特に主人公を据えず、出ている子どもたちとその周辺にいる大人たちの日常をドキュメンタリー風に描いている。冒頭のタイトルロールで映る、子どもたちの70年代ファッションがじつに懐かしくいきなりタイムスリップ。ごくごく見かける日常生活の断片を、丁寧にそして愛情深く見つめ紡いでみせてくれました。国は違えど一度は通る思春期の不安やお焦がれ、そして勇気や冒険など、子どもたちを通し思い出させてくれる。それは監督がとらえた子どもたちの中にある、未来への大いなる輝きが溢れだし温かい。素人(オーディション)であろう出演の子どもたちは素直に役を演じ、まるでそばにいる気さえしてくる。ゆったりとした時間の流れが妙に心地いい。子どもの頃は時間がとてもゆっくりと動いていたことを思い出させてくれる。そして大人に対するあ焦がれはどんどんと膨らみ、押さえきれない感情にワクワクドキドキの毎日が続いていたことも・・・。忘れていた感情が沸き上がり、子どもたちの言葉や行動が自身と重なり合う。ラストのキスシーンのなんとピュアなこと・・・。観ているこちらが、思わず赤面しそうである。こんな時代に戻れたら・・・と思う大人はきっと沢山いるでしょう?奇麗ごとだけで表現していない、ありのままの生活はすんなりとこころに入ってくる。愛に溢れた作品はきっと監督そのものではないでしょうか?
物語の後半に発覚する転校生ジュリアンの虐待事件。そのことについてクラスの子どもたちを集めて語りかけるリシェ先生の言葉は、とても感動的でした。「人生は生易しいものではない、強く心を持ちなさい。」と。
P.S. リシェ先生のことばに感動した自分ですがもうひとつ、「先生はこどもの頃、学校が大っ嫌いだった。だから好きになるために先生になった。」と言ったこのセリフが忘れられません。いい先生です。見習いたいと思うわたしです。

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# by eddy-web | 2017-09-19 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)
よもやまシネマ347 “エイリアン/COVENANT”
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2017.9.15

リドリー・スコット監督のメガヒット作品“エイリアン”、待望の最新作コヴェナントが公開された。第1作“エイリアン”が公開されたのが1979年。今から38年も前になる訳だが、はじめて作品に触れた瞬間の衝撃は、今までに感じたことの無いものでした。SFホラー作品に登場してきたさまざまな異星人やモンスターたち。そのどれにも属さない、斬新で異形なキャラは観るひとの度肝を抜き世界中の映画ファンを驚かせた。そのデザインはシュルレアリスムの巨匠デザイナーH・R・ギーガーが担当し、観た事のないデザインはコアなファンを生みその人気はいまも色あせてていない。画集も発売され、ギーガーの名も“エイリアン”同様、世界の知ることとなった。そして映画は続編が次々に創られ、その度にファンたちを虜にしてきました。物語もじつに緻密な構成で、単なるモンスター作品では無く、王道を行く気品さえ感じるシリーズとなり今回へと・・・。
その度に新しい切り口が用意され、ファンをうならせてきたシリーズ。果てしなく続く、人間とエイリアンとの戦い。1作目から主人公に女性を据え、人間(女性)の芯の強さや母性などをからめ表現された作品はSF作品の代表と言っても過言ではありません。
今回の作品は、過去にさかのぼりエイリアン誕生の秘密に迫る物語となっている。スコット監督自らがメガホンを獲り創り上げた作品には、いったいどんなメッセージが込められているのだろうか?興味はつきない。
さて感想である。第1作から続くなんとも言えない独特のダークな世界観は健在で、あっという間に物語りの中へと引きずり込まれる。映像の視覚効果は何度もアカデミー賞などで評価され折り紙付き。冒頭の無機質な部屋(白い)の中での人間とアンドロイドの会話からスタートする物語は、これからいったい何が起こるのだろうかと観る側を洗脳する。
2012年に公開された“プロメテウス”を観たときのことを思い出す。作品がエイリアンに繋がっているとはつゆ知らず観たわたし。タイトルにエイリアンという言葉が全然使われていないことと、前もって情報を入れずに鑑賞する自分は、スコット監督の新作と完全に思い込んでいました。物語が進み途中現れた、宇宙船の残骸と宇宙人と思われる化石。見た瞬間「エッ!!」と思い、はじめてエイリアンと繋がっていることを理解した。内容はかなり難解で、自分の中でエイリアンに繋がるまでには少々時間を費やした。しかしその時のもやもやした印象が、今回解き明かされることとなった“エイリアン・コベナント”。エイリアンの起源に迫るとうたっている今作品だが、それをまた裏切るような含みある展開はますます先の読めなくなっている。そして作品は新しい物語への序章へと・・・。人とエイリアンとの長い戦いをテーマにし、その繋がりを紐解き新たな創造の世界へと誘う。それは神の世界とも言うべき「人間の創造」へと進んで行く。「鶏が先か、卵が先か。」と言うような展開は、いつになったら結末を迎えるのでしょうか?これからもこの作品から目が離せません。
P.S. アンドロイドのデヴィットとウォルターを演じたマイケル・ファスベンダーは、いま乗りに乗っている俳優さんのひとり。そしてヒロイン、ダニエルズを演じたキャサリン・ウォターストーン(ファンタスティク・ビーストと魔法使いの旅)。ふたりの確かな演技は、スコット監督の創造世界にしっかりと答えた見事なものでした。今後も楽しみな二人です。そして公開間近の監督プロデュース”ブレードランナー2049“、いまから楽しみでなりません。私の中でSF作品ベスト5に入る続編が、いよいよ35年ぶりに公開される。あの素晴らしいラストシーンを超えることが、いったい出来るでしょうか?正直不安と期待でいっぱいである。


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# by eddy-web | 2017-09-18 00:00 | よもやまCINEMA(映画の話) | Comments(0)



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